医学講座

ラティースとルミガン

 2010年8月9日から掲載している、
 まつげ育毛剤についてです。
 このお薬ビマトプロストは、
 もともとは米国アラガン社で合成された
 眼圧下降薬です。
 2001年に米国で承認され、
 英国、
 ドイツ、
 フランス等84カ国で
 緑内障の目薬として使用されています。
      ■         ■
 このお薬を使っている患者さんのまつ毛が、
 長く太く濃く
 なることに気付きました。
 副作用を利用した、
 新しい商品開発です。
 頭髪の悩み2010
 という2010年4月11日の院長日記でご紹介した、
 プロペシアというお薬や、
 ミノキシジルというお薬も、
 副作用を利用した男性用育毛剤です。
      ■         ■
 もともとアラガン社で、
 緑内障用目薬として売っていたのが…
 LUMIGAN(るみがん)で、
 その副作用を利用して、
 まつげ育毛剤として売り出したのが…
 LATISSE(らてぃーす)です。
 成分はまったく同じで、
 違いは、
 まつ毛に塗る時に使う、
 専用の刷毛(はけ)がついているかどうか?です。
      ■         ■
 違うのは…
 刷毛(はけ)だけなのに、
 価格は3倍も違います。
 しかも…
 この専用の刷毛(はけ)は…
 あまり使い勝手がよくありません。
 先がばさばさで、
 いかにも米国製という感じがします。
 米国の皆様失礼しました。
      ■         ■
 価格が高いのは、
 米国での販売価格によります。
 メーカーとしては、
 訴訟を起こされた時のリスク管理。
 広告宣伝にかかる費用。
 …などを勘案して…
 卸価格を高く設定していると…
 私は考えています。
      ■         ■
 メーカーは…
 刷毛を片眼ずつ…
 一回ごとの使い捨てを指示しています。
 一つの商売上の戦略だと思います。
 マスカラをつける時に、
 両目を使い分けますか?
 それで感染したことがありますか?
 この刷毛を使うと先が太いので…
 つけすぎになる可能性があります。
      ■         ■
 私は(個人的には)…
 極細の歯間ブラシが適当だと思います。
 爪楊枝の
 先がとがってない方でも、
 上手に塗れる人はできると思います。
 細かい作業ができるか?
 数ヶ月も…
 諦めずに根気強く
 薬を塗り続けられるか
 というところが成功の秘訣だと思います。
      ■         ■
 美容外科医としては、
 付けまつ毛や
 エクステで、
 まつ毛や
 上まぶたの皮膚を傷めるよりは、
 この緑内障のお薬を…
 ほんの微量だけ、
 毎日続けるのはよいことだと思います。
 エクステだって…
 止めたら元に戻ります。
      ■         ■
 同じ成分のお薬です。
 専用ブラシは…
 歯間ブラシで代用できそうです。
 成分が同じなら…
 どちらをお買い求めになりますか?
 有名な女優さんが使っていると…
 パッケージがきれいだと…
 なんとなく…
 高い方がよさそうですが…

“ラティースとルミガン”へのコメントを見る

TEL 011-231-6666ご相談ご予約このページのトップへ