医療問題
残念な結果
残念なことという院長日記を、
2006年12月11日に書いています。
『形成外科医はキズを治すプロです』
と偉そうなことばかり言っても
治らないことがあります。
手術結果が思わしくないこともあります。
米国形成外科学会誌の編集長を長くなさった、
R.M. Goldwyn先生が…
The Unfavorable Result in Plastic Surgery
Avoidance and Treatment
という本を書かれています。
■ ■
形成外科手術の残念な結果
どうしたら防げるか?どうやって治すか?
…と訳してみました。
日本でも、
米国でも、
不満足な手術結果はあります。
手術をすればするほど、
簡単な手術はないことを実感します。
山形大学の事故もまさに、
形成外科手術の残念な結果です。
■ ■
私自身も、
30年も形成外科をやっていると…
残念な結果があります。
自分にもう少し技量があれば、
回避できたのに…
と反省することもあります。
毎日、
残念な結果を出さないように、
気持ちを新たにして手術をしています。
■ ■
よく学会に参加するのも…
常に最新の技術を学ぶためです。
残念な結果で、
一番苦しむのは患者さん本人。
真面目な術者なら、
手術結果が不満足だと悩みます。
どうしたら防げたか?
これからはどうやって治そうか?
…と考えて進歩します。
■ ■
たとえ大学医学部の主任教授でも、
大学の体制が原因で起きた問題は、
体制を変えなければ解決できません。
山形大学整形外科の荻野利彦先生は、
形成外科のよき理解者です。
私は、
今の山形大学の体制では、
形成外科の診療が充実しているとは思えません。
■ ■
山形大学の医療事故は、
形成外科の診療体制ができていれば、
防ぐことができた可能性があります。
荻野先生の裁判を通じて…
形成外科の必要性がアピールできました。
敗訴は残念でしたが、
この裁判は無駄ではなかったと思います。
■ ■
残念なのは
裁判を起こしても体制が変わっていないことです。
荻野先生という素晴らしい先生を、
がっかりさせてしまったことです。
先生は手の外科の名医です。
手の先天異常の、
OGINO分類は世界中に認められています。
先生、どうか元気を出してください。