医学講座
皮膚がんの見落とし
私が形成外科を勉強した、
北海道大学では、
たくさんの皮膚がんの手術をしていました。
市立札幌病院形成外科
JA帯広厚生病院形成外科でも、
皮膚悪性腫瘍の患者さんを診ました。
私の財産になっています。
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今の若い先生の中には、
♡高級優遇♡
…という言葉に惹かれて、
卒後研修が済んだら、
すぐに大手美容外科チェーン店に就職。
卒後数年目で、
○○美容外科札幌院院長に就任
…という先生もいます。
■ ■
学生時代に、
満足に講義も出席しないで、
皮膚科なんて勉強しなかった先生が、
なんちゃって美容皮膚科医や
なんちゃって美容外科医になったとします。
なんちゃっての先輩医師から、
ちょっとレーザーのSWの入れ方を教わっただけで、
すぐにホクロの治療をする先生もいます。
■ ■
はいはい、
おホクロの治療は簡単ですょ…
当院の最新式レーザーで取れば…
一回で簡単に取れますょ
…なんて危険な治療です。
悪性腫瘍を見逃す可能性があります。
悪性黒色腫や基底細胞癌は見分けがつかないことがあります。
皮膚がんの見落としは大変なことになります。
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ホクロと悪性黒色腫
2012年9月30日の院長日記です。
ほくろと悪性黒色腫の鑑別診断は、
皮膚悪性腫瘍を専門とする医師でも、
難しいことがあります。
特に早期の小さな(薄い)病変を…
肉眼だけで的確に診断するのは、
極めて難しいことがあります。
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ホクロだけではありません。
女性も、
男性も、
性器に悪性腫瘍ができることがあります。
単なるかぶれによる赤味だと思ったら、
乳房外ページェット病という、
悪性腫瘍のこともあります。
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乳房のしこりに気付くのは、
患者さん本人です。
皮膚悪性腫瘍は、
手術をする先生、
皮膚を最初に診た先生が、
何か変?
…と気付かないと見落とします。
若い美容外科の先生には、
皮膚悪性腫瘍を勉強していただきたいです。