医学講座
豊胸手術の歴史2015
昨日の院長日記、
整形美人【再放送】を見ました
になっちゅんさんからコメントをいただきました。
豊胸手術は主人曰く、見たらわかる。
寝ても胸が流れないのは豊胸だと。
確かに私の貧弱な胸も流れます。
おっぱい星人と言う言葉もありますし、胸があった方がいいに決まってます。
最近は自然に見えるらしいですね。
シリコンから生理食塩水になったと耳にしました、本当ですか?
■ ■
やわらかいバッグを使って、
カプセル拘縮というのがなければ、
自然に流れる胸ができます。
豊胸手術は、
国籍を問わず、
世界中の女性の
悩みや夢です。
■ ■
二重の手術や、
鼻を高くする手術は、
アジア人に多い手術です。
豊胸は、
世界中で行われます。
それだけ悩みが多いということです。
外国にも小さな胸はあります。
■ ■
豊胸手術の歴史は、
ちょっと悲惨なものがあります。
Wikipedia(日本語)の豊胸手術には、
かなり正確な記載があります。
簡単に説明すると、
シリコン→生食→シリコン
という歴史です。
現在の主流はシリコンです。
コヒーシブタイプというシリコンです。
■ ■
私が医師になった頃に、
米国にダウコーニングという会社がありました。
日本法人もありました。
私は真面目でいい会社だったと、
今でも信じています。
そのダウコーニングが、
シリコンバッグが原因で、
乳がんになるという訴訟で倒産しました。
■ ■
その後、
米国でもシリコンが使えなくなり、
生理食塩水バッグになりました。
残念なことに、
バッグが破裂して生理食塩水が漏れたり、
シリコンに比べると不自然という欠点がありました。
今では使われることは少ないと思います。
■ ■
日本でも、
高研という会社がシリコンバッグを作っていました。
医療用シリコンでは有名な会社です。
しっかりとした立派な会社です。
今は豊胸用シリコンバッグは製造していません。
日本では、
乳がん再建後に米国製のシリコンバッグが認可されました。
つい最近のことです。
■ ■
昔の日本では、
オルガノーゲンという注入剤が使われて、
その後に乳房が変形したり、
赤く腫れたりする健康被害が出ました。
昔のバッグが破裂したり、
変形を起こしたりした患者さんもいます。
その時代には安全だと信じられていました。
■ ■
脂肪注入についても、
一時期に流行って、
その後、衰退して、
また現在では時代の最先端と騒がれています。
何が正しいのかわかりません。
ヒアルロン酸も使われています。
私は自分の身内だったら、
脂肪注入もヒアルロン酸も使いません。
■ ■
30年も医師をしていると、
たくさんの患者さんを診ます。
私は豊胸は悪いことではないと思います。
女性の夢も理解できます。
一番大切なのは、
将来、乳がんになった時に、
わかりやすい豊胸だと思います。
■ ■
シリコンバッグを使う方法は、
たとえ乳がんになってもわかりやすいです。
でも、
注入を受けると、
脂肪でもヒアルロン酸でも、
わかりにくいと私は思います。
注入を受けた人は、
ふつうの人の何倍も乳がんに気をつけてほしいです。