医学講座

道南にもドクターヘリ就航

 平成27年2月15日(日)、北海道新聞朝刊の記事です。
 道南にもドクターヘリ就航 経費課題、空白は十勝のみ
 医師と 看護師 を乗せて救急現場へ向かう「 ドクターヘリ 」が2月16日、函館市を拠点とする道南圏で運航を始める。道央、道東、道北各圏に続く4機目の配備で、十勝管内を除く道内全域をカバーできることになった。運航圏外の十勝管内は、地元関係者が道東圏への加入を目指している。ただ、広大な区域となるため、新たなヘリ導入を求める意見もある。実現には搭乗医の確保や費用負担が課題になりそうだ。
 「離島で暮らす私たちにとって、宝ものだよ
 檜山管内奥尻町の無職大谷政之さん(85)は道南圏のヘリ就航を歓迎する。14年前、山菜採り中に足を滑らせ胸の骨を折る重傷を負った際、海上保安庁のヘリで函館の病院に搬送され、一命を取り留めたことがある。海保のヘリは要請を受けた後、函館から片道1時間前後で奥尻に到着することが可能だが、医療スタッフが常に待機しているドクターヘリなら片道30分ほどに短縮されるという。
 道南圏のヘリは渡島、檜山両管内の全18市町と医療機関などでつくる運航調整委員会が導入。年間約400人の搬送を見込む。
 基地病院となる市立函館病院の武山佳洋救命救急センター長(42)は「道南は函館の病院まで救急車で2時間半かかる場所もある。ヘリ導入でこれまで救えなかった命が救える」と力を込める。
 ヘリには函館市内を中心とする14医療機関の医師と看護師が輪番で搭乗する。年間約2億8千万円の経費は国と道の補助金が約1億円ずつ、残りは18市町が分担する。今後は道や各市町の財政が厳しい中、どう経費を捻出していくかが課題だ。
 道内のドクターヘリは2005年に道央圏(拠点・札幌市)、2009年に道東圏(同・釧路市)と道北圏(同・旭川市)で就航。16日に運航を始める道南圏を含め、各圏の運営組織に参加する自治体は160市町村に上る。この3機の2013年度の出動件数は計1095件に上った。
 運航圏外は十勝管内のみで、現在は緊急的措置として道東圏や道北圏にヘリ派遣を要請している。本年度は1月末までに道東圏のヘリが2件、道北圏のヘリが1件、同管内に出動した。十勝管内のある消防署の担当者は「道東圏の関係者は『いつでも要請を』と言ってくれるが、ためらいがある」と明かす。
 こうした現状を受け、十勝管内の19市町村は道東圏入りを目指し協議を進めている。各市町村の担当者や医療関係者らでつくる十勝保健医療福祉圏域連携推進会議は、今春をめどに道東圏の運航調整委員会に対し、加入を要請する意向だ。
 ただ、道医師会救急医療部長の目黒順一・札幌北楡病院院長(66)は「道東圏のヘリが十勝に出動すると、釧路周辺が一時的にヘリ空白区になる。効率的な運用には十勝管内独自の導入が必須」と訴える。自治体との調整や補助金を出す立場の道は「搭乗スタッフや運航資金確保が難しく、現時点の新たなヘリ導入は困難」(地域医療推進局)と慎重で、引き続き検討が必要になりそうだ。

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試験運航で函館市内の病院を出発するドクターヘリ=2月上旬

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(以上、北海道新聞より引用)

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 平成27年2月17日、朝日新聞朝刊(北海道版)の記事です。
 ドクターヘリ、全道覆う 4機目
 道南圏に就航 奥尻→函館30分に
 医師と看護師が乗り込んで救命医療を行う、医療機器を備えたヘリコプター「ドクターヘリ」が2月16日、道南圏に就航した。道によると、道央、道東、道北圏に続き4機目で、これで全道がカバーされた。年間の利用人数は約400人を見込んでいる。
 導入したのは道南の18市町や医療機関などでつくる「道南ドクターヘリ運航調整委員会」。搬送時間が短くなることで、救命率の向上や後遺症の軽減が期待されている。この日、函館空港内の格納庫で開かれた就航式で、同委員会の浅井康文委員長は「導入して良かったと思ってもらえるよう救急医療体制を構築していきたい」とあいさつした。
 ヘリはアグスタウェストランド社製で7人乗り。除細動器や人工呼吸器などの医療機器を備え、函館空港内の格納庫に予備機とともに配備された。雪の上にも降りられるように、車輪部分にそりを装着できる。運航は鹿児島国際航空(鹿児島市)に委託する。
 救命救急センターのある市立函館病院が基地病院となる。ヘリに同乗する医師や看護師の3分の2は同病院が、残りは道南の12医療機関と札幌医科大が交代で担当する。医療スタッフは格納庫に待機し、出動要請から5分ほどで離陸できるという。119番通報を受けた消防や、現場に到着した救急隊が必要だと判断したときに基地病院内の「ドクターヘリ運航管理室」に出動を要請する仕組みだ。
 カバーする域内には、学校など計286カ所の離着陸地点がある。ヘリはそこに離着陸し、救急隊から患者を引き受けたり、医療機関に引き渡したりする。奥尻島からも約30分で函館市内に搬送できるようになるという。
 (磯崎こず恵)
 
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就航式終了後、ドクターヘリを見学する人たち
=函館市高松町(以上、朝日新聞より引用)

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 北海道新聞の記事が就航前日の日曜日、
 朝日新聞は就航翌日の今日の記事です。
 道南のドクターヘリは、
 朝日新聞の記事にあるように、
 アグスタウェストランド社製の7人乗り、
 道内の他の3機より大きいと、
 昨日の院長日記に書いた奈良先生から伺いました
 速度も速いそうです。
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 朝日新聞で紹介された、
 道南ドクターヘリ運航調整委員会
 同委員会の浅井康文委員長は、
 札幌医大高度救命救急センターの前教授です。
 私が札幌医大に在職していた時期から、
 救急患者の航空機搬送を熱心に訴えていらっしゃいました。
      ■         ■
 私は今から27年前に、
 函館中央病院に勤務していました。
 道南ドクターヘリの就航は、
 奥尻島の人たちにとって、
 とても心強い味方だと思います。
 何と言っても、
 ヘリに先生と看護師さんが搭乗して
 助けに来てくれるのです。
 浅井先生が挨拶されたように、
 導入して良かったと思ってもらえるよう
 救急医療体制が整うことを期待しています

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