医学講座
第3回日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
昨日と今日の2日間、
京王プラザホテル札幌で、
第3回日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会が開催されました。
長い名前の学会です。
乳癌で乳房を失った患者さんへ、
乳房を作るための学会です。
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2013年7月から、
乳房再建に使うインプラントが保険適応になりました。
2014年1月から使えるインプラントが増えました。
札幌美容形成外科では実施していませんが、
保険で乳房再建を実施する施設が増えています。
この学会には、
形成外科医と乳線外科医が参加しています。
2日間の学会に参加してきました。
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学会に参加して、
発表を聞いた正直な感想です。
乳房再建は簡単ではない。
すぐにおっぱいができると思っているなら、
正直なところおすすめしない。
登録施設は増えていても、
ほんとうに上手な先生は限られている。
自分の身内だった、
お願いできる先生は数人かな?
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これは私が一人の形成外科医として受けた印象です。
私が一番感動した発表は、
聖マリアンナ医科大学形成外科教授の、
梶川明義先生の発表です。
もし自分の身内が乳癌になって、
再建手術を希望したら、
まず梶川先生に相談します。
梶川先生は信頼できる先生です。
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乳房再建は、
ベテランの先生が手術をしても、
2%くらいの確率でトラブルが起きます。
最悪の場合は、
おっぱいが再建できなくなります。
梶川先生は、
他院でトラブルになった患者さんでも、
何とか救済して、
きれいなおっぱいを作っていらっしゃいました。
梶川先生なら大丈夫です。
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首都圏にはたくさんの大学病院があります。
有名な大学病院だから、
必ずしも100%いいとは限りません。
大学病院の中には、
形成外科専門医取得前の医師が、
手術をするところもあるそうです。
その大学病院の術後写真を見ると、
とても手術を受けたいとは思いませんでした。
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先生による差が大きいのも、
この乳房再建手術です。
2010年6月30日の院長日記でご紹介した、
ブレストサージャリークリニックの
岩平佳子いわひらよしこ先生も、
とても信頼できる先生だと思います。
もし乳がんになって、
再建手術をお考えなら、
何人かの先生に意見を聞いて、
慎重に病院を選ぶことをおすすめします。
数百例の手術をした先生でもトラブルはあります。
形成外科専門医取得前の先生には、
かなり難しい手術です。