医学講座

2%の失敗率でも患者さんには100%

 2日間の第3回日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
 有意義な学会でした。
 私は乳房再建はしませんが、
 一人の形成外科医として、
 再建技術の進歩や、
 保険適応になった乳房インプラントのことを、
 しっかり勉強できました。
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 この学会を聴いて、
 一番印象に残ったのが、
 聖マリアンナ医科大学形成外科教授の、
 梶川明義先生のお言葉です。
 2%の失敗率でも患者さんには100%
 失敗は絶対に許されない

 とても重みのあるお言葉です。
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 乳癌で失った乳房を、
 豊胸手術のように、
 簡単に治せると思うのは大間違いです
 数百例の手術をしたベテランの先生でも、
 なんらかのトラブルを起こす可能性があります。
 たとえ2%の失敗率でも、
 患者さんにとっては100%です。
 きれいなおっぱいができると思っていたのに、
 おっぱいができなくなります
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 乳がんになって乳房を失って、
 ただでさえ落ち込んでいるのに、
 感染などで再建できなくなると、
 インプラントを抜去しなくてはならなくなります。
 梶川教授は、
 他院で感染した患者さんも、
 梶川メソッドで感染をコントロールし、
 インプラントの代わりに、
 自分の組織で再建されていました。
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 エクスパンダーという組織拡張器でたくさんの経験を積んで、
 感染コントロールも上手にできる梶川先生だから、
 たとえ2%の失敗例に入ってしまった患者さんでも、
 なんとか救済して、
 きれいなおっぱいを作っていらっしゃいました。
 梶川教授の
 2%の失敗率でも患者さんには100%
 失敗は絶対に許されない
が、
 とても信頼できる先生の根拠です。
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 感染コントロールの梶川メソッドは、
 英文論文として2009年に発表されています。
 Salvage of infected tissue expanders using a new continuous irrigation method with intermittent aspiration.
 Kajikawa A, Ueda K, Katsuragi Y, Iida S.
 J Plast Reconstr Aesthet Surg.
 Mar;62(3):e69-72.2009

 興味がある形成外科の先生は調べてください。
 梶川先生に伺うと、
 親切に教えてくださいます。
 信頼できる先生です

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