昔の記憶
ありがたいお給料
平成27年9月30日(水)北海道新聞朝刊、いずみへの投稿です。
ありがたいお給料
毎月末日はパート先のお給料日。今どき珍しい手渡し給料です。社長の、「パートさんの顔が見たい、話がしたい」との思いから、このスタイルが続けられているそうです。給料袋はすぐ開けずに、大切に持ち帰ります。
その夜、私は2人の子どもを正座させます。待ちに待った母さんのお給料公開の瞬間。はじめに袋から小銭だけを取り出します。なぜなら、小銭はすべて子どもたちで分けてよし、という決まりになっているからです。2人の視線は私の手元に集中します。
私は葬儀会場で仕事をしているため、夜や土日の出勤はしょっちゅう。家でご飯の用意から後片付け、風呂掃除、布団敷きまでが子どもたちの担当です。留守番を子どもたちに頼っているからこそできる仕事なので、お給料の小銭は、母さんからのほんの少しの還元の気持ちなのです。
先月の給料袋には小銭が950円。これまでの最高額に子どもたちは大喜びでした。
何かと気を使い、体力もいる仕事ですが、ありがたいお給料をもらうたびに1カ月の苦労が吹き飛び、また頑張るぞという気持ちになります。
もちろん、この様子をそばでニヤニヤしながら見ている、一番の協力者の夫にもお裾分けをします。夫にだけは、紙のお金(お札)です。
ちゃっかり者の次女が「社長さん、全部小銭でお給料くれたらいいのにね」と。そればかりはちょっと困ります。
宮沢ゆかり(みやざわ・ゆかり 50歳・パート職員)=小樽市
(以上、北海道新聞より引用)
■ ■
朝から気分がいいお話しを聞かせていただきました。
宮沢ゆかりさんに感謝しています。
葬儀場のお仕事は大変です。
最近は葬儀委員長もいなくて、
司会の女性の方が故人の経歴などを話してくださいます。
お坊さんの読経の間に、
何度も原稿を読み直している姿を目にします。
■ ■
私は罰あたりなので、
ありがたいお坊さんのお経よりも、
司会の方のお話しを聞いて帰ります。
(お経は意味がわかりません)
大変な闘病だったんだ、
ご家族も支えられたんだなぁ、
最期は安らかに眠られた、
よかった、、、などです。
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司会の方の他にも、
受付で領収証をくださる方や、
案内の方など、
たくさんの女性が葬儀場で働いているのを目にします。
家でご飯の用意から後片付け、
風呂掃除、
布団敷きまでが子どもたちの担当です。
留守番を子どもたちに頼っているからこそできる仕事
なるほど、子どもたちとご主人の協力が大切です。
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お給料の小銭は、
お母さんからの少しのお礼
先月の給料袋には小銭が950円。
これまでの最高額に子どもたちは大喜び
お給料のありがたさを、
子どもさんにも理解していただき、
きっといい子に育っています。
社長さんも喜んでいると思います。
宮沢ゆかりさん、
朝からいいお話しをありがとうございました。