医学講座
第38回日本美容外科学会(横浜)②
2015年9月22日と23日の2日間の
第38回日本美容外科学会で一番印象に残ったのが、
特別企画
【美容外科合併症】でした。
座長:
保阪善昭(総合東京病院形成外科・美容外科)
百束比古(日本医科大学形成外科)
演者:
小川令(日本医科大学形成外科)
野本俊一(日本医科大学形成外科)
島倉康人(北里大学医学部形成外科・美容外科)
新橋武(新橋形成外科クリニック)
土井秀明((医)杏皇会こまちクリニック)
特別発言:白壁征夫(美容形成外科サフォクリニック)
■ ■
美容外科手術で不幸な結果になってしまう人が、
残念ながらいらっしゃいます。
日本医大形成外科は、
ヒトアジュバント病の時代から、
長く美容外科の後遺障害に悩む患者さんを診ていらっしゃいます。
幸せを作る医療も、
一歩間違うと不幸のどん底に落ちる医療になります。
■ ■
特別発言の白壁征夫先生からは、
大手美容外科チェーン店の経営方針の変更によって、
糸による健康被害が続出したこと。
このまま健康被害が続くと、
まともな美容外科まで困ることになると発言されました。
私も何とかしなくてはならないと思います。
■ ■
この特別企画の最後に、
会場から発言されたのが、
高須克弥先生でした。
高須先生も、
美容外科の将来にかかわる大問題であると、
強く語られました。
高須先生のおっしゃる通りだと思います。
■ ■
今回の学会では、
韓国の先生や台湾の先生から、
ヒアルロン酸による失明や鼻壊死という、
重大な副作用についての講演がありました。
解剖学的にどこが危険な部位で、
どうしたら失明事故を回避できるか?
詳細な血管解剖の結果も見せてくださいました。
■ ■
残念なことですが、
日本の大学病院で美容外科を標榜しているところがありますが、
注入剤による失明を防ぐには、
どうしたらよいか?
…というような研究は聞いたことがありません。
もっと美容外科関連の事故を防ぐための研究や機関があるべきです。
■ ■
唯一、私が覚えているのは、
福島で開催された、
第21回日本形成外科学会基礎学術集会
慶応義塾大学形成外科、
清水雄介先生のご発表だけです。
『新鮮屍体を用いた顔面の動静脈解剖の検討』
まるで3年後に注入剤による皮膚壊死で、
形成外科の特集号が出ることを予測したような研究です。
美容外科も医学なので、
しっかり研究を重ねて
不幸な結果を出さないことが大切だと痛感しました。
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今日からHPが変わっています。
愛知県のオフィスクロスロードの須崎克之様にお願いしました。
お気づきの点があれば教えてください。
須崎様ありがとうございました。