医学講座
失明の医療事故
2015年9月3日の院長日記
レディエッセを中止しました2015で、
美容外科クリニックで、
レディエッセ(Radiesse)を注射され
失明した例26歳女性(近畿大学形成外科)
視力低下と皮膚壊死例27歳女性(札幌医大形成外科)
…のことを書きました。
■ ■
札幌医大の例も、
札幌医大眼科で懸命に治療してくださったので、
失明を回避できました。
もし眼科の治療が遅れたら、
失明になっていた可能性があります。
重大な医療事故です。
残念なことですが、
厚生労働省も、
消費者庁も、
国民生活センターも動いていません。
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形成外科では顔の手術をします。
眼科の先生といっしょに外傷を診ることもあります。
あまり知られていないことですが、
顔面骨骨折の手術でも、
失明した医療事故があります。
私が知っているのは、
眼窩ブローアウト骨折という骨折の手術で、
失明した事故です。
■ ■
美容目的の注射で失明した患者さんも、
骨折の手術で失明した患者さんも、
手術前は視力があった方です。
形成外科専門医でも、
眼窩ブローアウト骨折で失明は知らないと思います。
とても残念で、
申し訳ないことです。
■ ■
私自身も、
いつ事故を起こすかわかりません。
ですから、
毎日慎重に診療をしています。
車の運転と同じです。
美容外科価格破壊の弊害
レーシック詐欺
どちらも2008年の院長日記です。
■ ■
61歳という年齢になって思うことです。
医療というのは、
金儲けの道具ではなく、
人を幸せにする…
人の苦痛を取り除く…
そういう業種だと思います。
金儲けを考えると、
効率主義や
一人当り単価が
気になるようになります。
金儲けのばかり考えていると、
いつか
取り返しがつかない
事故が起こる気がします。
新米形成外科医師への助言も読んでください。
“失明の医療事故”へのコメント
コメントをどうぞ
山形大学でもそうであったように医療事故はちょっとしたことでも手遅れになったりして起こります。 昨日夜緊急外来に行きましたが、若い整形外科医師が当直で看護師さんにMMTのことを聞いていましたが、私は息子の実験台でその言葉をいつも聞いていましたが、診療科により基準が違うのかとか言ってましたがそんな事はないと思いました。幸いすべての検査をしてくださったので病気がみつかりましたが、診療科以外なんで詳しくないんでと言ってましたが、形成外科医はなんの科にも精通されていなければならない科なんですね。 61才初日のお仕事お疲れ様でした。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。昨夜はお疲れ様でした。形成外科医は自分が関係する科以外には弱いです。医学の分野は広くすべての科に専門医レベルの知識と技能は難しいですね。お大事になさってください。
失明を逃れてよかったです。
先生も毎日本当にお疲れ様です。
患者さんは勿論ですが
なんちゃって美容外科医のやった尻拭いをしないといけない大学病院もかわいそうです。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
大学病院や高度救命救急センターには美容外科以外の病院で起きた医療事故の患者さんも搬送されます。それを診るのも仕事のうちです。失明の事故は患者さんが気の毒です。視力はどんなに賠償金をもらっても戻りません。
2回目です。
そうですよね。失明なんて謝って済む問題じゃないし
生活に関わる器官です。
札幌医大で治療を受けた方、懸命な治療で視力を失わないで本当に良かったと思います。
もう少し大々的に公表されてもいい医療事故だと思います。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。札幌医大で治療を受けた患者さんは眼科で適切な治療を受けなければ失明だったと思います。もっとレディエッセの危険性を啓蒙すべきだと思います。