医学講座
今までありがとう 船が沈みよるけん
今日は2022年10月23日(日)です。
今朝の北海道新聞朝刊に、
知床遊覧船の事故が載っています。
Yahoo!ニュースにも取り上げられています。
道新を読んで涙がでました。
船上から奥さんに、
最後の通話をなさったそうです。
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観光船カズワン20分で沈没か 1管が通信記録を解析 知床事故から半年
【斜里】オホーツク管内斜里町の知床半島沖で小型観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故で、第1管区海上保安本部(小樽)が、乗客の携帯電話の通信記録などを解析した結果、船の沈み始めから沈没までの時間が20分程度だったとみられることが、捜査関係者への取材で分かった。1管本部は、カズワンが高波を受けて船内に浸水した後、短時間で沈没したとみて調べている。
事故発生から23日で半年となった。乗客乗員26人のうち、これまでに20人の死亡が確認され、6人が行方不明となっている。
捜査関係者などによると、乗客の女性が事故当日の4月23日午後1時2、3分ごろ、携帯電話で家族に船上から連絡していたことが分かった。会話の内容から連絡した当初は船体に異常はなかったとみられ、1管本部は午後1時2分以降に船が沈み始めたとみている。
一方、同1時20分ごろ、乗客の男性が妻に携帯電話で「今までありがとう」「船が沈みよるけん」などと連絡していた。また、1管本部の捜査で、乗客の携帯電話などの電子機器の大半は同1時21分ごろ、通信記録などのデータが途絶えていたことも判明した。このため、1管本部は午後1時21分ごろには船内への浸水が深刻な状況となり、間もなく沈没したとみている。
このほか、豊田徳幸船長=当時(54)=とみられる男性が同1時18分、乗客の携帯電話を借りて「船首が浸水した」などと118番した地点が、船体が海底に沈んでいた地点と約200メートルしか離れていなかったことも判明した。現場海域では当時、高さ3メートル前後の波があったとみられることから、1管本部は高波を受けて船内に浸水後、カズワンの航行が困難となっていた可能性があるとみて調べている。
1管本部は、荒天が予想される中で出航を決めた判断に問題があったとみて、カズワンの運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長(59)について、業務上過失致死容疑での立件を視野に捜査を進めている。
■腹の据わった父
カズワンにはゴルフ仲間2人と一緒に来ていた道外の70代男性も乗っていた。「今までありがとう。だいぶ世話になったね」。あの日の午後1時20分ごろ、男性は長年連れ添った妻に電話をかけた。慌てる風ではないが、いつもよりやや早口で突然お礼を言われた妻が「何で冗談言おうと」と返すと、男性は「船が沈みよるけん。だめみたいだ」と告げ、自ら電話を切った。通話時間は20秒ほど。人の声か何かは分からないが、男性の背後はざわついた雰囲気だったという。
男性は翌日、知床岬近くで見つかり、死亡が確認された。電話のやりとりを教えてくれた長男は「父は亭主関白で腹の据わった人だった。最後は慌てずに感謝を伝えたのだと思う。今まで本当に母がいたからやってこられただろうから、母に電話をかけてくれて良かった」と静かに語った。(長堀笙乃)
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知床遊覧船KAZU Iカズワンの事故は、
2022年4月23日に起こりました。
北海道の4月はまだ寒いです。
知床は札幌よりももっと寒いです。
約20分で沈没するまで、
ほんとうにつらかったと思います。
奥さんに『今までありがとう』と電話をなさった男性、
他の方のご冥福をお祈りいたします。
二度と起こしてはならない事故です。