医学講座
わきがブログ
女性週刊誌に載っている美容外科の広告を見ると、わきが手術は‘簡単で、すぐにキレイに治る’ような錯覚を持ちます。‘簡単にすぐ治る’と宣伝しなければ‘お客様’にいらしていただけません。私はチェーン店の雇われ院長をしていた時にも、しっかり治療しないと治りませんとお話ししていました。
私は、わきが手術は健康保険以外ではしておりません。今後、大きな診療報酬改定があれば話しは別ですが、当分の間は保険診療を続けるつもりです。これには次のような理由があります。
ふつうの人が考えると、何十万円も百万円も払ったのだからキレイに治るのが当たり前で、お金さえ払えばわきがが簡単に治ると思われても不思議ではありません。何か特別の方法があるように思わせる広告もあります。
インターネットの普及でネット上にはいろいろなブログがあります。東京の有名なクリニックで手術を受けられた方のブログがあります。
グロ画像ありと書かれています。一般の方がご覧になると‘ヒドイ’と思われる写真ですが、形成外科医が見ると剪除法による普通の手術経過です。
大手美容外科でもワキガ手術の経過写真を出しているところはマレです。写真を見せると、ヒドイと思われ‘お客様’が来なくなるからです。
私が手術をしても、手術後に安静を守らないと、脇に色素沈着や赤味が残ります。キレイに汗腺をとれば取るほど炎症が残るので、術後の管理がとても大切なのです。
前に出たブログの写真は剪除法としては一般的な経過です。私も形成外科医時代はこの方法をとっていました。しかし、美容外科の看板を掲げるとお客様は少しでもキズを小さくキレイな仕上がりを要求されます。そこで今の方法に行き着きました。
わきが手術で大切なのは手術後の安静です。百万円出しても下手な先生がいい加減な手術をすれば治りません。私が手術して、一番キレイな方はたとえお医者さんと結婚してワキを見せてもバレないくらいキレイです。手術を検討なさっている方は、十分なお休みが取れる時期になさってください。