医学講座

手術前夜

 明日は手術と考えると、いろいろな不安が頭をよぎり眠れなくなることがあります。入院して手術を受ける場合は、麻酔科の先生や当直医の先生にお願いして、眠剤(睡眠薬)をいただくこともできます。ただ全身麻酔の場合ですと、21:00以降は絶飲食の指示が出ていますので、深夜になってからでは遅すぎることもあります。
 不安で眠れなくなった時は、手術をしてよくなった時のことを考えたり、今までの人生の中で一番楽しかったことを想い出したりして、じっと目を閉じているとよいと思います。
 局所麻酔で手術をしていると、ガチガチに緊張なさっていた患者様が、手術を始めて10分もすると、眠ってしまうことがあります。静脈麻酔や全身麻酔をした訳でもないのに、スースーと寝息を立てて眠ってしまうのです。極度に緊張なさっていらしたのに、手術を始めてみると痛くもなく安心して眠ってしまいます。
 私は一ヵ月に一度、近くの床屋さんにお世話になります。最初は世間話をしていますが、必ずといっていいほど眠ってしまいます。舟をこぐと言いますが、頭が動くのがわかります、さぞやりにくいことと、いつも申し訳なく思っています。形成外科や美容外科の手術は、仰臥位(仰向け)でするので眠っても頭が動くことはありません。
 眠れないと不安が強くなることもありますが、どんなに眠れなくても、うつらうつらと眠っているものです。たとえ一晩くらい眠れなくても、死ぬことはありません。手術が終われば、その分ぐっすりと眠れます。
 手術をする医師の方は、明日の手術に備えて勉強をすることもあります。開業してからは、決まった手術しかしませんので、前日に手術書を読むことはなくなりました。毎日手術日なので、体調管理に気をつけています。私は昔から、夜飲みに出かけることは、ほとんどありませんでした。勤務医時代も歓送迎会など、病院の行事で出かける程度でした。だいたい一次会で帰るか、遅くても地下鉄のある時間帯に帰っていました。お酒には弱いので晩酌もしません。毎日、こうして日記を書いて、メールの返事を書いてから休みます。明日も手術があります。手術を受けていただく方には一生に一度の大切な日です。手術する私も万全の体制で臨みます。

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