医学講座

顔面神経麻痺

 顔面神経麻痺(ガンメンシンケイマヒ)という病気があります。ビートたけしさんが、交通事故で右顔面神経麻痺になったのが有名です。
 たけしさんは、リハビリで回復し、現在はTVで拝見しても、少し右顔面にマヒが残っている程度です。事故で神経が部分的に障害されたので、少しずつ回復してきました。神経は障害を受けても、少しずつ自分で‘再生’して、治る性質を持っています。
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 顔面神経という神経は、脳神経です。脳から耳の穴の前に出てきます。ここから、耳下腺という組織の中を通り、おでこから唇、首までの表情筋を動かす指令を伝えます。
 ですから、顔面神経麻痺になると、おでこにシワができなくなる、眉毛が下がる、目が閉じられなくなる、アッカンベーになる、口が曲がって食べ物がこぼれるなどの悲惨な症状が出ます。
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 顔面神経麻痺には脳の異常で起こる、中枢性顔面神経麻痺と、主に耳から先の異常で起こる末梢性顔面神経麻痺があります。
 この中で多いのが、末梢性顔面神経麻痺です。原因不明のことが多く、これをベル麻痺と呼びます。単純ヘルペスウイルス1型が発症に関与していることが疑われています。
 子供の頃にかかる、水痘(水ぼうそう)という病気があります。水痘帯状疱疹(スイトウタイジョウホウシン)ウイルスというヘルペスウイルスが原因でなります。
 この帯状疱疹ウイルスが原因でなる顔面神経麻痺をハント症候群と言います。
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 ハント症候群は、耳(耳介)や耳の穴(外耳道)に、水ぼうそうのような、小さな水疱や発疹が出るのが特徴です。耳が痛いという症状のこともあります。
 このハント症候群には特効薬があります。発症後なるべく早く(できれば3~4日以内)に抗ウイルス薬を投与するとよく効きます。
 抗ウイルス薬を投与しても、治らない場合があります。
 残念なことに、ハント症候群では、難治性の顔面神経麻痺が残ることがあります。
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 顔面神経麻痺になって、一番辛いのが目の症状です。
 片側だけ麻痺になるので、片目だけアッカンベーになります。眉が下がってものが見づらくなることもあります。
 次に辛いのが、口が曲がることです。食べ物がこぼれてしまい、よだれも垂れてしまいます。
 今まで元気だった人が、ある日突然顔面神経麻痺になると、世界がひっくり返ったように生活に支障をきたします。
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 顔面神経麻痺の治療は、主として耳鼻科で行われます。耳に関係する初発症状が多いからだと思います。
 目の症状が出ると、眼科へかかります。アッカンベーになって、目が痛くなり、目ヤニが出たりするからです。
 耳鼻科や眼科で治療してもらって、ある程度神経が回復してくれば問題ありません。
 問題なのは、神経が回復せず、顔が曲がったまま、数ヵ月しても症状が改善しない時です。
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 ここで、活躍するのが形成外科です。形成外科はもともと顔面の再建、神経の再建は得意です。
 私は札幌医大に在籍していた時に、耳鼻科の先生とたくさんの顔面神経麻痺の患者様を治療する機会がありました。
 顔面神経にできた、腫瘍(できもの)を切除して、耳の後ろから神経を移植して再建したこともあります。回復するのに時間はかかりましたが、見事に神経がつながりました。
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 顔面神経麻痺で、目がアッカンベーになって困っていらっしゃる方は、是非、札幌美容形成外科を受診なさってください。日帰り手術でアッカンベーを治すことができます。
 アッカンベーを治すだけでしたら、約1時間程度の手術です。もちろん健康保険が適用されます。
 アッカンベーを治して、目を開けやすくするだけで、辛い症状がかなり改善されます。

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