医学講座
立ち耳の手術②
たち耳の手術で一番難しいのが…
あと戻りを防ぐことです。
耳の軟骨は…
白くて硬い組織です。
子どもの耳は柔らかいですが…
年齢を重ねると…
軟骨は硬くなります。
硬い軟骨はバネのように戻ろうとします。
■ ■
手術にはいろいろな方法があります。
一般的には…
耳の後ろ(耳介後面じかいこうめん)を切って…
丁寧に止血しながら…
組織を剥離(はくり)して
軟骨を露出します。
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軟骨は白いです。
厚さは…
せいぜい足の親指の爪くらいです。
これに…
薄い膜がついています。
丁寧に操作しないと…
すぐに傷がついてしまいます。
■ ■
耳は複雑な形をしています。
微妙な凹凸に…
名前がついています。
正確に耳の絵が描けて…
各部位の名前を正確に言える医学生は…
意外に少ないです。
■ ■
北大形成外科で研修医をしていた頃…
学生の臨床実習で…
大浦武彦先生がよく…
ホワイトボードに耳の絵を描かせていました。
私の記憶では…
正確な耳の絵を描けた学生は…
とても少なかったです。
■ ■
立ち耳の患者さんは…
対耳輪(たいじりん)という…
高まりの部分が平坦です。
そのため…
耳が立ってしまい…
ミッキーさんの耳になります。
■ ■
平らな軟骨を…
裏側から切って…
凸型にする手術です。
反対側の耳が正常なら…
できるだけ反対側に近づけるようにします。
どんなに丁寧に手術をして、
しっかり軟骨を固定しても…
問題なのは後戻りです。
■ ■
年齢が高くなればなるほど…
軟骨が硬くなります。
後戻りを防ぐことが大切です。
私は…
後戻りを防ぐために…
ヘアーバンドなどで…
数ヵ月間は耳を圧迫していただいています。
■ ■
キズは抜糸した時点では…
しっかりくっついていません。
縫った糸の周囲に…
しっかりとした線維性結合組織ができて…
ちょっと引っ張った程度では…
組織がはがれなくなるまで…
数ヵ月はかかります。
■ ■
この間は耳が立たないように…
ヘアーバンドで圧迫していただきます。
これが意外と大変です。
これをしっかりしてくれる患者さんは…
きれいな耳になれます。
手術後のケアーが大切です。
“立ち耳の手術②”へのコメント
コメントをどうぞ
看護学校でも 耳の中の方の名称 テストにあったようです。立ち耳の手術はケアしだいですね。
思い出せば、耳が立っていて、横になって寝ると耳が邪魔になると言ってた人がいました。
立ち耳でしょうね。
ちょっと動物的な立派な耳をお持ちでした。
折角手術して貰ったんですから、
しっかりとヘアーバンドで固定するといいですね。
簡単で後戻りがないなら、こんなにいい事はないと思います。
私も立派な立ち耳。4人の子供がいますが、そのうち2人が生まれた時はキレイにねている耳だったのに生後半年頃には立ち耳になってしまいました。上の子は男の子で身体もガッチリで顔とのバランスも悪くなくさほど気になりませんでしたが、下の女の子(現在4才)は立ち耳である事が気になってしかたありません。私も子供の頃からコンプレックスで絶対に耳が出るような髪型はできませんでしたし、運動会ではハチマキをするのが嫌で憂鬱でした。娘にはそんな思いをさせたくありません。出来れば小学校に上がる前までに手術で直してあげたいとおもっています。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
市町村によって違いますが、小学校入学前は医療費が少なくて済むところが多いです。立ち耳の手術は難しいです。立ち耳の手術をたくさん手がけている形成外科医は意外と少ないです。外来を受診してどこを切ってどんな手術をするかよく説明を聞いてください。できれば症例写真も見せていただくといいと思います。