二重・眼瞼下垂
まつ毛の感覚がない
上まぶたの手術後に、
まつ毛の感覚がにぶくなることがあります。
上まぶたを切開する時に、
必ず目頭側に細い神経があります。
細い白い糸のように見えます。
手術用顕微鏡で見るとよく見えます。
神経には、
伴走血管があります。
血管から出血することがあります。
■ ■
この神経を損傷すると、
眼瞼下垂症手術の術後に、
まつ毛の感覚がにぶくなくなります。
数ヵ月で少しずつ戻りますが、
『先生、マスカラを塗っても感覚がない』
…と言われることがあります。
私はできるだけこの神経を傷つけないように手術をしています。
■ ■
この神経については、
第25回日本形成外科基礎学術集会(大阪)③で、
東京医科歯科大学大学院 形成・再建外科学分野の
東野琢也ひがしのたくや先生のご発表がありました。
O-36
上眼瞼における感覚神経の走行形態に関する解剖学的分析
東野琢也先生のご発表で、
上眼瞼内側の神経は滑車下神経由来の枝だと知りました。
■ ■
なんちゃって美容外科医の中には、
そもそも、
こんな神経があることを知らない人がいます。
学生時代の解剖学実習では、
教えない神経です。
形成外科専門医試験でも、
おそらく出題されたことはないと思います。
ベテランの形成外科専門医でも、
この神経を切る先生がいます。
■ ■
細い神経を残して、
その神経を傷つけないように手術をするのは、
手間がかかって、
時間がかかって、
もうからない手術です。
私は偏屈でがんこなので、
たとえもうからなくても、
自分のやり方は変えません。
一時的でもまつ毛の感覚がないのは嫌だからです。
“まつ毛の感覚がない”へのコメント
コメントをどうぞ
神経の損傷は怖いです。
やはりいい先生に手術して頂かないと。
なんちゃってには神経の事も知らない先生が
いらっしゃるなんて
やはり詐欺ですよね。
本間先生は2時間かかるオペも
あると書いていらっしゃいましたね。
儲け主義ではない親身ないい先生です。
本間先生、出来るだけ現役でいてくださいね。
私達みんなの願いだと思います。
拝読されてる皆様、
なんちゃってには気をつけましょう!
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。手術の基本は丁寧にです。一日に何件も手術をしないチェーン店では、どうしても効率優先になります。細い神経でもちゃんと残してあげるとまつ毛の感覚はなくなりません。
本間先生の信念は 凄いものを感じます。私はまつげの感覚がないというのは経験したことがないのですが、神経の一本までにも気を使う本間先生のような先生に手術して欲しいです。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。さくらんぼさんが、一個一個のリンゴやラフランスにこだわりがあるのと同じです。ちょっとしたことですが、感覚がなくならないように手術をするのも技術の一つです。
これまで一重の手術が大変だと知りませんでした。確かに脳に近いから慎重に対応しなくてはいけませんね。いつも欠かさず、学会にでて勉強しているから、役に立っているのではないでしょうか。これからも困っている人の為に頑張って下さい。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。細い神経一本でも傷つけるとまつ毛の感覚がにぶくなります。手術中の操作で神経を傷つけなければ感覚がにぶくなることは少なくなります。できるだけ丁寧に手術をしています。
医師によって同じ手術でも、手順や操作方法は異なるところはあるとは思いますが、感覚が元に戻ってくるにしても神経を切ってしまうのはちょっと、、ですね。
上で書かれていますが、医療に効率優先は馴染まないですね。
チェーン店の宿命なんだとは思いますけど。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。高い広告宣伝費をかけている自由診療のチェーン店はどうしても効率優先になります。細い神経を切らずに手術するのは手間と時間がかかり技術力も必要です。大量生産の美容外科には無理です。