医学講座
犯罪をおかした人の入院
昨日の院長日記、
京都アニメ放火事件全犠牲者公表
…の続きです。
犯罪をおかした人でも、
入院して手術をすることがあります。
受刑者の入院
2008年3月27日の院長日記です。
■ ■
犯罪をおかして、
刑が確定して刑務所に入っている人は受刑者です。
管轄は法務省です。
受刑者を監視するのは刑務官です。
裁判所で刑が確定する前は、
容疑者です。
管轄は警察署です。
容疑者を監視するのは警察官です。
■ ■
私たち病院に勤務する医師や看護師は、
受刑者でも、
容疑者でも、
他の患者さんと同じように治療にあたります。
犯罪をおかした患者さんの横には、
刑務官や警察官がいます。
私たちが危険な目にあうことはありません。
■ ■
治療内容も同じです。
受刑者だからいい加減な手術をするとか、
容疑者だから手抜きの手術をするとか、
そんなことは絶対にありません。
むしろ、
他の人と違う手術をすることは難しいです。
唯一違うのは、
他の患者さんへの影響を考えて個室を準備することくらいです。
■ ■
私が勤務していた病院は個室が常に満床でした。
最初は個室に入っていた受刑者も、
大部屋に移っていただいたことがありました。
容疑者の治療で違うのは、
治療が終わったら逮捕されて、
裁判を受けたり、
刑務所に行ったりすることでした。
私が治療をした容疑者の人は、
きっと更生してくれていると信じています。
“犯罪をおかした人の入院”へのコメント
コメントをどうぞ
個室に入っていた受刑者が
大部屋に移ることもあるのですね。
驚きました。
そうですね。
治療を受けた容疑者が
更生してくれてる事と思います。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。受刑者には常時刑務官が2人ついていました。大部屋に移っても問題なくおとなしくしていてくれました。夜間も起きている刑務官がお気の毒でした。容疑者には警察署から警察官が来ていました。1人のこともあったように記憶しています。容疑者の治療は2回くらいしましたが個室でした。2回とも個室でした。
ドラマでは見たことがありますが
実際に犯罪をおかした人には、
刑務官や警察官がついていることは
普段、考えることがありませんでした。
まわりの人に危険が及ぶリスクも
ありますね。私情や感情を入れずに
治療にあたるお医者さま看護師さんの
ご苦労を思いました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。私たち医師も看護師もふつうの患者さんと同じように治療をしていました。受刑者は看護師さんにお世話になって、毎日、処置のたびに丁寧にお礼を言ってくれていました。容疑者は寡黙でした。
私の知人の旦那さんは刑務官でよく知人と電話していると今晩は病院泊まりで1人なのよ。とか言ってましたが詳しい事は聞いた事がなかったです。医師としては公平にでしょうが被害者家族としては地獄に落ちてもらいたいと思っています。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。刑務官のお仕事は大変だと思います。刑務所でも病気になれば医療を受けさせます。矯正医官と呼ばれる刑務所や矯正施設で働くお医者さんもいます。私が学生だった頃からいつも募集していました。被害者家族のお気持ちは痛いほどよくわかります。ただ医療従事者も刑務官も犯罪をおかした人だからと差別はできません。大変なところです。