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大学一年生

 一浪の末、札幌医大に入学したのが昭和49年です。当時は大学紛争が終わりかけていましたが、教室では毎日革マル派の先輩がアジ演説をしていました。入学してしばらくした頃です、6年生の先輩女子学生が白衣を着てヘルメットをかぶって教室に来て『キミタチワー!自己批判せヨ~!』と叫んで演説をはじめたのには驚きガッカリしました。
 革マル派と民生派の対立もまだありました。札幌医大の先輩には学生紛争で殺された人もいると聞き恐ろしくなりました。授業は予備校の方がずっと充実していました。唯一、興味深く聴講したのが英会話です。25歳の金髪米国人の女性講師が先生でした。私はNHKのおかげで英語が得意になっていたところに、美人の先生のおかげでますます英語が好きになりました。下賎な動機だと笑われそうですが、このクラーク先生のおかげで英語がずっと好きになったことは間違いありませんでした。
 大学に入るといろいろなクラブから勧誘がありました。最初は弓道部に入りました。アーチェリーのようなイメージを持って入部したのですが、古式豊かな日本の国技のようで私には合いませんでした。
 大学一年生の頃は、車の免許をとったり、家庭教師のアルバイトをしたり、友人とユースホステルを使って旅行に行ったりしていました。勉強は試験に通る最低限しかしませんでした。
 医学部らしい講義はなく、高校の延長のような講義を2年間聴いていました。唯一、医科大学らしいところは、司法解剖の見学でした。当時の八十島信之助教授は慶応大学から東京都監察医務院を経て札幌医大の教授になられた高名な先生でした。大学一年生が見学するのを許可され、一年生にも解剖しながら解説してくださいました。この時、法医学教室で助手をしていらしたのが、現在、公明党の参議院議員をなさっていらっしゃる、風間昶(かざま・ひさし)先生です。
 私はせっかく苦労して札幌医大に入学しましたが、最初の2年間はあまり勉強もせず、予備校の講義を懐かしく思っていました。

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