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日本美容外科学会

 日本美容外科学会の報告です。この学会はいわゆる十仁学会と呼ばれる美容外科学会です。形成外科医の参加が少なく、開業美容外科医の参加が多い学会です。韓国の美容外科学会である、大韓美容外科学会の先生も参加され、会場のアナウンスは韓国語でも行われます。
 今回の学会長は松山市で開業されている、さくらクリニックの福井卓也先生。福井先生は東邦大学医学部をご卒業後外科学を専攻、その後十仁病院で美容外科を研鑽されました。中央クリニック名古屋院院長の後、地元の松山市で開業されました。
 学会を開催するのは大変な仕事で、開業医が業務の傍ら準備するのは本当に大変なことです。さくらクリニックのスタッフに伺ったところ、約1年前から準備され、クリニックの10人の職員で学会を運営されたそうです。
 今日は学会のプログラムの他に、青色LEDの発明で有名な中村修二先生(米国カリフォルニア大学(UCSB)教授)の特別講演がありました。
 中村教授は徳島大学工学部電子工学科を卒業後、日亜化学工業に入社。研究部門に所属していましたが、業績が上がらないため、入社10年目に会社を辞めろと言われました。その時に青色発光ダイオードの開発を社長に直訴し、米国・フロリダ大学に1年間留学。1989年に日亜化学工業に戻り、約2億円する製造装置を自分で改造して開発に成功しました。その後、発明に関して日亜化学工業と裁判になり、2005年1月東京高裁で特許等の対価等として、日亜化学工業側が約8億4000万円を中村先生に支払うという和解が成立しました。 中村教授は私と同じ1954年生まれ。日本の大学入試制度が悪いので米国のような独創的研究やベンチャー企業が生まれないという考えです。講演をお聞きして、教授の考えに共感しました。
 今日の学会で美容外科のトピックはフェイスリフトのシンポジウムでした。シンポジストはリッツ美容外科の廣比利次先生、Dr.ゴールドマンクリニックの高橋金男先生、名古屋美容外科の平田修人先生、鶴舞公園クリニックの深谷元継先生、国際美容外科の荒木義雄先生、特別発言としてご自身が2回フェイスリフト手術を受けた高須クリニックの高須克弥先生でした。形成外科系の美容外科学会では聞けない貴重なお話しでした。
 中でも圧感は高須先生ご自身の手術ビデオでした。以前の国際学会でも拝見しましたが、手術を受けている院長が手術中にあれこれ指示を出されるのはすごかったです。2回目の手術は、ご子息の高須幹弥先生が執刀。この時は、息子と手術中に親子喧嘩になっては困るので全身麻酔でなさったそうです。
 フェイスリフト手術は古くから行われている手術ですが、手術後の後戻りなどの問題点があります。今回のシンポジウムでも各先生の創意工夫が見られ参考になりました。明日からの診療に役立てます。

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