医療問題
理事長解任?
平成19年8月30日北海道新聞の記事です。
理事長に退任勧告 天使病院理事7人
「地域医療に混乱」
妊娠後期から生後約一週間の周産期医療の拠点となっている札幌市東区の天使病院の産婦人科医全員が退職する問題で、同病院を経営する医療法人社団カレスアライアンス(室蘭、西村昭男理事長)の理事17人のうち七7人が西村理事長に「地域医療に重大な混乱を招いた」として退任を勧告していることが、29日分かった。
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退任勧告は西村理事長が今年5月、天使病院を、西村氏が別に理事長を務める特定医療法人社団カレスサッポロ(札幌)に移管することを決めたことをめぐる混乱が理由。
この決定について、同病院の産婦人科医6人全員が「移管先の経営内容が不透明で、リスクの高い周産期医療は続けられない」として、9月末までの退職をカレスアライアンスに通告した。
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7人の理事は
①西村氏は利害関係の異なる二法人の理事長を兼ねているが、移管手続きについて説明が不十分
②移管が産婦人科医の退職を引き起こし、地域医療を混乱させた-などと指摘。
理事会と社員総会の招集に必要な理事7人と社員1人の署名を提出し、理事会と臨時社員総会の開催を求めている。
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カレスアライアンスの定款によると、西村氏が自ら退任しない場合、理事会に出席した理事の過半数の賛成があれば、理事長職を解任できる。西村氏は進退について「理事会で決めること」と話している。
カレスアライアンスは西村氏が発足当初の1980年から理事長を務め、日鋼記念病院(室蘭)など道内の複数の医療機関や福祉施設を経営している。(2007年8月30日(木)北海道新聞朝刊より引用)
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西村先生は8月12日の日記に書いたように、元北大第一外科助教授だった方です。
元助教授だろうが、医療法人を開設した功労者だろうが、病院運営ができなくなると、理事長といえども辞めなさいと言われる時代です。昔は西村先生に盾突く(タテツク)など、医師の間では考えられなかったことです。
医師というのは、自尊心が強く、扱いづらい職種の代表です。医師不足の中でも、特に産婦人科医は少ないので売り手市場です。医師同士の喧嘩がはじまると、なかなか厄介です。
天使病院から、産婦人科の灯を消さないように、理事会で穏便にことが決まってくれることを願っています。