医学講座

アクアフィリング摘出は大きな病院で

 2018年6月の院長日記に書いた、
 日本美容外科学会からのアンケート調査、
 アクアフィリングによる豊胸
 アクアフィリング豊胸で不安な方へ
 アクアフィリング豊胸
 アクアリフト
 …の続きです。
 アクアフィリング豊胸は受けないでください
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 アクアリフト豊胸を受け、
 不幸にも感染してしまって熱や膿などの症状がある方
 美容外科ではなく、
 大きな病院の形成外科で診察を受けてください。
 私がおすすめするのは、
 異物摘出で実績がある、
 日本医大形成外科です
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 アクアフィリング摘出には、
 まず正確な画像診断が必要です。
 小さな肺癌でも見つけることができる高性能のCTと、
 美容外科で行う、
 超音波エコーでは、
 診断精度が違います。
 きれいに取るには、
 どこまで広がっているか正確に診断することが重要です。
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 ネット上の情報はあてになりません。
 ホームページの情報もあてになりません。
 広告もあてになりません。
 高いお金を払って、
 アクアフィリング摘出を受けても
 CTで見ると残っていることがあります。
 これ以上、気の毒な方を増やさないために、
 消費者庁や、
 国民生活センター、
 厚生労働省もなんとかしてほしいです。
 2017年に日本美容外科学会で翻訳した、
 韓国の情報です。
 韓国乳房美容再建外科学会
 「乳房増大のためのアクアフィリングの使用に関する声明」(全文)
 2015年9月に医学雑誌であるArchives of Aesthetic Plastic Surgeryに掲載された「シリコンインプラントでの乳房増大術後、一時的フィラーを応用したサイズと形の修正」の論文で、Shinらは、「アクアフィリングは、インプラントで乳房増大術を行った後の軽度なサイズや形の問題を修正する新しいオプションである」と述べている。
 この論文によると、アクアフィリング(Aquafilling)は、98%の水と2%のコポリアミドから成っているとされている。しかしながら、韓国FDA(食品医薬品局)に提出された書類では、2%のコポリアミドと0.9%の塩化ナトリウム液が98%となっている。
歴史的に、乳房増大を目ざしてパラフィン、液状シリコン、ポリアクリルアミドゲル(PAAG)などの材料の注入が多く試みられてきている。これまでの結果、すべての材料は、例えば慢性炎症、異物肉芽腫によるしこり(塊)や皮膚潰瘍までも生じる続発症に至っている。これらの理由から米国FDA(食品医薬品局)は乳房増大にフィラーを用いることを許可していない。
 PAAGをフィラーとして注入による乳房増大の結果として重大で有害な続発症となっているという数多くの報告がある。特に局所や全身の熱感、乳房の腫大、発赤、乳頭の隆起、圧痛や疼痛、乳房非対称、乳房変形や授乳機能の喪失といったものまである。Shinらは、かつて問題となった“アメージング・ゲル(AmazingGel)”あるいは“アクアミド(Aqaumid)”と呼ばれたPAAGフィラーとはアクアフィリングは異なると記載しているが、アクアフィリングの主成分はポリアクリルアミドそのものであり、これまで商業的に使っていたフィラーと何ら異なることはない。さらに、同じ化学成分が物理的特性で例えば結合反応でどのように変化したかについての説明が、完全に欠落なく証明されなければ、あいまいなままである。
 以上のことから韓国乳房美容再建外科学会は、アクアフィリングの使用に重大な懸念を表明し、さらに注入後6か月の経過や結果の観察では短いと考えている。PAAG使用後の早い期間では乳房や異物性では十分落ち着いているとの過去の報告はあった。しかし、この報告は、現在、結局時代に合わず、受け入れられず、見捨てられることになった。特に、乳房へのPAAGの注入の長期経過後の重大な続発症を考慮すると、アクアフィリングが乳房増大術の不具合な術後の新しい修正のオプションであると言うことは余りに早まった考えといえる。
 韓国FDAは、アクアフィリングは顔面のシワや口唇の形態や量の非対称性の一時的改善への使用のみ許可した。乳房増大術のような場合に許可された方法を守らないと、ずっと多い注入量が必要となり、ひいては重大な続発症を生じたり、患者さんが容易でない治療を受けざるを得なくなる。アクアフィリング注入後に乳房変形を来たした多くの患者さんでは、復旧できず、乳房再建術が必要になり得る。
 韓国乳房美容再建外科学会は、長期の安全性の十分な証拠が集積され検証されるまで、乳房増大のためのアクアフィリングの使用にはっきりと反対する。我々はまたShinらの予備的報告に頼った未承認のフィラーの商業的使用にも警告する。新規のあるいは立証されていない注入異物の人への使用はもっと厳格な管理が適用されなければならない。医学倫理の最も高度な基準を設定することでのみ、我々の患者さんたちの健康を保証しうることになる。
(訳:日本美容外科学会(JSAPS)医療安全委員会)

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