医学講座
第132回日本美容外科学会(JSAPS)学術集会(沖縄)④
沖縄で開催された、
第132回日本美容外科学会(JSAPS)
…で印象に残ったご発表です。
16:30〜17:20一般演題2
座長:新城 憲 (形成外科 KC )
6、 脂肪注入による豊胸術にて多発する小嚢胞を生じた1例
演者:吉種克之( 東京イセアクリニック)
とても考えさせられるご発表でした。
■ ■
ご発表の要旨です。
CMCバッグによる豊胸術を受けた後に、
バッグを取り出し、
脂肪注入によって豊胸を受けた患者さん。
その後に、
小さな嚢胞のうほうを多発し、
摘出したという症例です。
数個のしこりは経験することがありますが、
多発例ははじめて見ました。
■ ■
多発した小嚢胞のうほうを摘出したところ、
内容は脂肪滴でした。
大きいものから、
小さいものまで多数あり、
摘出するのは大変だったと思いました。
吉種先生は手術が上手なベテランの先生です。
脂肪滴をつぶすこともなく、
とてもきれいに摘出されていました。
■ ■
会場の先生から、
多発する小嚢胞を生じた原因として、
血流に問題があったのでは?
…とご発言がありました。
実は私もJA帯広厚生病院に勤務していた時代に、
病気で顔面が変形した患者さんに、
脂肪注入をしたことがありました。
数年はとてもよい経過でしたが、
注入した脂肪は萎縮してしまいました。
脂肪滴はありませんでした。
病気が原因なのか?
血流が原因なのかわかりません。
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今回のご発表で、
私は、
やはり、
注入による豊胸術は、
自分の身内なら受けさせない
…と考えました。
アクアフィリング豊胸
…の演題はありませんでしたが、
2018年7月現在では、
豊胸はバッグがいいと思います。