医学講座
「見た目問題」に苦しむ人たちを支援する
平成30年7月28日、朝日新聞朝刊の記事です。
(ひと)「見た目問題」に苦しむ人たちを支援する
外川浩子とがわひろこ(51歳)さん
原点は怒りだ。20代後半につきあっていた男性は、顔の下半分に皮膚移植の痕があった。赤ちゃんのころのやけどが原因だ。並んで歩くと、ジロジロ見られ、コソコソと「あの顔見た?」と話す声も聞こえてきた。
「悪いことをしてもいないのに」。視線の暴力を知った。
顔の変形、アザ、全身の脱毛。好奇の目にさらされ、就職や結婚でも差別を受ける。だが、多くは治療の緊急性がなく、機能的な障害がないため、福祉的なサポートはほとんどない。そんな問題を「見た目問題」と名付け、苦しむ人たちを支援してきた。
2006年に立ち上げた「マイフェイス・マイスタイル」は2011年にNPO法人化した。写真展や交流会にとどまらず、地元、東京・墨田の区議会に6月、相談窓口の設置など公的支援を求める陳情書を出した。採択した区議会は、就職差別禁止などの施策を求める意見書を国に出してくれた。
苦しむ人たちは、「他人が話しかけづらいのは仕方がない」と考え、自分から声をかけるといった努力をしている。そんな生き方を、かっこいいと思う。
でも当事者に我慢や適応を強いる社会はおかしい。見た目を重視する風潮を変えたい。「外見が人と違っても生きやすい社会は、誰もが自分らしい顔で自分らしい生き方ができる社会だと思う」からだ。
(文・岩井建樹 写真・山本和生)
(以上、朝日新聞より引用)
■ ■
NPO法人、
マイフェイス・マイスタイル
…のことは知りませんでした。
形成外科は見た目を治す科です。
私自身が、
たくさんの見た目で苦しむ患者さんを診てきました。
今は子供たちの手術はしていませんが、
赤ちゃんの手術をしていたこともありました。
■ ■
朝日新聞の記事にある、
顔の下半分に皮膚移植の痕があった。
赤ちゃんのころのやけどが原因だ。
並んで歩くと、
ジロジロ見られ、
コソコソと
「あの顔見た?」と話す声も聞こえてきた。
どんな状況か想像ができます。
■ ■
20年以上前のことだと思います。
顔の下半分に皮膚移植の痕
身体の他の部分がどうかわかりませんが、
手術で目立たなくできる可能性があります。
血管腫などのアザも、
治療法が進歩しました。
「見た目問題」で苦しむ人たちが
少しでもよくなってほしいと願っています。