医学講座

耳前瘻孔の手術のこつ

 耳前瘻孔の手術2018
 …の続きです。
 形成外科の若い先生へのメッセージです。
 昨日の院長日記にも書いたように、
 手術のこつは、
 耳輪脚じりんきゃくの方から切開することです。
 穴から切開する方法はダメです。
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 先輩から教えてもらう手術法や、
 教科書や文献に書いてある方法です。
 耳前瘻孔のから、
 ピオクタニンという色素を注入して、
 穴の中を染色します。
 やってみるとわかりますが、
 そんなに色素は入りません。
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 小児の点滴に使う、
 細い静脈内留置針を使っても、
 穴の奥まで色素を入れるのが難しいです。
 入れる時に失敗すると、
 色素が飛び散ってしまいます。
 色素が被布おいふにつくと洗濯をしても落ちません。
 手術室の看護師さんから、
 へたくそ
 …という冷たい視線を感じます。
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 穴の周囲に、
 ナイロン糸をかけて、
 その糸をモスキートーペアンで把持する
 …と書いてある文献もあります。
 私は穴の周囲に糸はかけません。
 穴の周りを切開するだけです。
 穴はあまり重要視してません。
 問題は耳珠の前です。
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 耳前瘻孔で手術が必要な人は、
 瘻孔の中に角質が貯溜しています。
 黄色い油脂状の人もいます。
 耳珠の前に、
 注意して触るとしこりがあります。
 このしこりが問題です。
 粉瘤よりずっと深い位置にあります。
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 ここからがポイントです。
 耳珠の前の切開は、
 の字】型にします。
 右耳だったらの字】型、
 左耳だったらの字】型です。
 の字】の下半分は、
 せいぜい1~2㎜です。
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 まっすぐに切ると術野の展開がしにくいです。
 の字】型にすると耳介軟骨の奥までよく見えます。
 近くには血管や神経があります。
 浅側頭動静脈や、
 顔面神経本幹もあります。
 注意して慎重に剥離します。
 丁寧に止血をして、
 血を出さないことです。
 そうすると瘻孔の薄い壁がよく見えます。
 これが手術のコツです。

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