医学講座
緑内障とまつげ育毛剤
緑内障(りょくないしょう)という病気があります。
日本では失明原因の第1位が緑内障です。
40歳以上の日本人は、
20人に1人が緑内障です。
私も定期的に、
道庁前眼科の、
吉田篤先生に診ていただいています。
今のところ大丈夫です。
■ ■
緑内障に関係があるのが眼圧(がんあつ)です。
目はふにゃふにゃとした
風船のようなつくりです。
これに房水(ぼうすい)という水が入っています。
事故などで目に外傷を受けると、
目がぺしゃんこになります。
目がつぶれると言いますが、
ほんとうにつぶれます。
■ ■
この房水(ぼうすい)によって、
一定の圧力があるために、
眼球の形が保たれています。
この圧力のことを眼圧(がんあつ)といいます。
眼の硬さのことです。
事故でつぶれた眼球は、
指で触ってもぶよぶよになっています。
■ ■
日本人の平均眼圧は14.5 mmHgです。
正常範囲は10~20 mmHg。
眼圧は、
冬に高く、
夏に低くなりやすいことが知られています。
眼圧が正常でも、
緑内障になることもあります。
正常眼圧緑内障といいます。
日本人では緑内障の患者さん過半数が、
正常眼圧緑内障です。
■ ■
日本緑内障学会ガイドラインによると、
緑内障とは、
視神経と視野に特徴的変化を有し、
通常、眼圧を十分に下降させることにより
視神経障害を改善もしくは抑制しうる
眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患である
と定義されています。
■ ■
前置きが長くなりましたが、
緑内障患者さんは、
眼圧を下げる薬(点眼薬)
を長く使うことになります。
眼科の先生が、
緑内障の患者さんのまつげが
ばっさばさに黒くなっているのに気付きました。
これがまつげ育毛剤の開発につながりました。
■ ■
残念なことに、
日本の厚生労働省は、
まつげ育毛剤としての使用を
認可していません。
緑内障用目薬の副作用として…
本剤の投与により
眼周囲の多毛化があらわれることがある。
と記載されています。
このお薬を、
まつげ育毛剤として販売しているのが、
米国です。
さすがです。
“緑内障とまつげ育毛剤”へのコメント
コメントをどうぞ
すみません。まつげがばさばさになるとは まつげが沢山生えるということですか?それとも しなやかでなく硬く ぱさぱさした感じになるのですか?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
表現が不適切で申し訳ございません。まつげがばっさばさとは、若い人の表現でしょうか?黒く太く長くなります。たくさん生えて長くなります。上手にエクステをつけた感じです。硬くぱさぱさではありません。
ありがとうございます。今風の長く太いまつげになるのですね。
まつげエクステはしたことありませんが、なるべく まつげを長くぱっちり見せたくて出かける時マスカラとアイラインを使うのですが、手が痺れて震えて 上手にひけず、おまけに暑さでマスカラやアイラインが落ち、パンダ目になります。 まつげ育毛剤があるとは知りませんでしたが、多毛になる以外に副作用はないのですか?
ラティースとルミガンが睫毛の育毛として有名ですが、元は緑内障の治療で使われていたようです。海外のゾロ?でテストしたところ、睫毛の毛が太くなり、少し長くなりました。
そうですか・・・
と言う事は円形脱毛症でまつげが抜けてしまった患者さんには朗報ですね。全頭型の脱毛患者さんは、まつげもまゆげも髪の毛もなかなか生えて来ないのが現状です。
お題とは違いますが、臓器移植法が改正されてから、初めてのケースです。今日、ニュースでやっていたので記入させて頂きます。千葉市内にて20代の男性が交通外傷で脳死状態になり、生前に、親に万が一のことがあれば臓器提供をしても良いと口頭にて意思表示されていたそうです。 家族の同意を得て、脳死判定をしたそうです。5人の方に臓器提供される予定とのこと。(大阪の病院に入院中の心臓疾患のある20代の男性に心臓が提供されるそうです)前にも書きましたが、臓器提供をするご遺族側と提供を受ける患者や家族。個人情報保護も大事ですが、どこで息子の臓器が役立っているか知る権利も無く、また、頂いた側はお礼も言えないという状況は、何とかならぬものか?と思ったのは私だけなのでしょうか。
山形は今日も猛暑です。札幌はいかがですか?
緑内障に使う目薬を円形脱毛の所に使っても生えますかね。モルヒネ治療後 頭部円形脱毛に悩んでいます。眼圧を下げる薬が眼に入っても正常な眼の人は大丈夫なのでしょうか?
らずべりぃーさんがCommentされておられました、臓器移植ですが昨晩息子といろいろ話しをしました。主人は息子がかりに脳死になっても絶対臓器はあげないと言い張り、息子は 誰かの役に立つならすべての臓器を提供したいといい、その時は主人を私が説得して欲しい、なんなら その遺書も書いておきたいといいます。 どこの誰に提供されたかはわかりませんが、先日先生のblogで教えていただいたように、人を介してお礼の手紙はくるようですよね。
私の友人の息子さんが骨髄バンクに登録していて、合う方がいて 某病院で移植しましたが、相手の方からは お礼の手紙が来たそうです。
今回の移植は 同じ年頃の息子を持つ母として 考えさせられました。
臓器を提供された方のご冥福ををお祈りするとともに 移植が成功する事を祈っています。
さくらんぼさんへ
私のつたないコメントをお読み頂きありがとうございます。今回の例は、口頭で親に意思表示をされており、親が本人の意思を尊重した形で脳死判定され臓器移植になることになりましたが、何も意思表示がない(ドナーカードも含めて)場合、ご家族は悩まれると思いました。ドナーカードや口頭にて、意思表示されていても、さくらんぼさんのご家族のように、家族の中で意見が分かれるケースもありそうですね。死生観は、各々違うので(風習も含めて)絶対こうです、とは言えないのですが、生前のご本人の意思を考慮すべき事柄なのかなって思いました。 また、コーディネーターしか出来ない役割や関わり方もあるはずなので期待したいですね。
追記
先程、報道ステーションにて昨日、脳死判定を受け、大阪市内の心臓疾患のある男性に(心臓は時間が勝負の為、ヘリで心臓を運ばれ)真夜中のAM4時30分から移植手術が行われ、(心臓は6時30分に届いたとのこと)、手術は成功したそうです。拒絶反応が出ないことを祈りたいです。