医学講座
キズ痕のケアー
手術のキズが目立ったり…
赤かったり…
痒かったり…
するのは…
何年たっても嫌なものです。
通常の皮膚には、
皮脂腺(ひしせん)という
脂(あぶら)を出してくれる
腺(せん)があります。
■ ■
水道の蛇口みたいな栓ではなく、
毛の横から、
汗のようににじみ出て…
すこしずつ出ます。
この微量の脂(あぶら)が
肌に潤(うるお)いを与えてくれます。
キズは…
瘢痕組織(はんこんそしき)という、
繊維の塊(かたまり)になっています。
そのため、
潤(うるお)いがなくなります。
■ ■
痒い原因の一つは、
この潤いがないことにあります。
さくらんぼさんのキズのように、
時間が経ったキズでも、
潤いを与えて、
圧迫して伸ばしてあげると…
キズは柔らかくなります。
冬に濡れた革のブーツを放置すると、
硬く変形します。
■ ■
ブーツに革用クリームを塗って…
新聞紙などを詰めて、
ピンと伸ばしてあげると…
また柔らかくなります。
人間の皮も、
ブーツの革も同じです。
手入れをしてあげると、
硬くなったキズも伸びます。
■ ■
大やけどをした人は、
ヤケドの部位が何年たっても…
かさかさして、
キズになることがあります。
キズを放置して、
じくじくした状態が長く続くと…
皮膚がんになることがあります。
これを防ぐのが、
保湿です。
■ ■
2007年2月12日に書いた、
ヒルドイドローションには、
優れた保湿作用があります。
化粧品として売れば…
間違いなく…
一本、3万円以上しても…
ヒット商品になると思います。
同じ成分のクリームや軟膏もあります。
これらのお薬が効果的です。
■ ■
もし病院へ行く時間がなければ、
ボディーローションや
ハンドクリームなど、
保湿作用があって、
すべすべする外用剤をつけると、
それだけでも違います。
硬くなってしまったキズも、
ちょっとお手入れをしてあげると、
楽になることがあります。
自宅でもできることですから、
試してみてください。