医学講座
痛みの察知(さっち)
さくらんぼさんから、
次のコメントをいただきました。
よく 美容室などで シャンプーをして
「どこか 痒いところはございませんか?」 とか
「首は苦しくないですか?」 とか
聞かれますが 、
なぜか 痒いところがあっても
少しくらい首が苦しくても 「ないです」と答えてしまいます。
局部麻酔なども同じで
なぜか 少しくらい 苦しくても 我慢してしまいます。
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痛いとかは 言うのですが、
手術している部位以外のことで
医師が気を使って言ってくださったとしても
少しくらい苦しくても
「これくらいで苦しいなんて言っては失礼だ」
とか思ってしまいますし、
検査で3D-CT(すりーでぃーしーてぃー)を受けた事がありますが、
「熱くなりますが、あまり熱かったら 知らせてください」
と言われたのですが、
かなり熱く感じて気分も悪かったのですが、
どの程度 を熱いというのかわからなくて我慢しました。
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確かに、
痛みの感じ方には個人差があります。
同じ量の麻酔薬を使っても、
効きかたが悪い方や、
効くまでに時間がかかる方が、
いらっしゃいます。
一番、一般的な麻酔薬は、
キシロカインという商品名で売られている、
塩酸リドカインという薬です。
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歯科で使う麻酔薬も同じです。
韓国へ行っても、
中国へ行っても、
米国へ行っても、
同じ麻酔薬を使っています。
スウェーデンのアストラ社という会社から、
1948年に発売された薬です。
もう50年以上も使われています。
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とてもよい薬なので、
50年以上も使われています。
ただ使い方を誤ると怖い薬です。
ベテランの先生はこの薬の使い方が上手です。
一年に一人くらいの割合で、
この薬の効きが悪い方がいらっしゃいます。
その場合には他の薬を使います。
手術で一番痛いのは…
麻酔の薬を針で注射して、
薬が入っていく時です。
私は痛みが少ないように工夫しています。
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薬を注射する時や、
を注射した後も、
術者は患者さんの反応を常にみています。
ちょっと顔をしかめるとか、
ちょっと動くとか、
ちょっとした反応から…
上手に痛みを察知(さっち)します。
患者さんが寝息を立てて、
眠ってくださると、
痛みがない証拠になります。
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さくらんぼさんのように、
痛みをガマンなさる方や、
どの程度になったら言えばよいのか…?
わからないこともあります。
歯医者さんで歯科衛生士さんに、
歯石などの処置をしていただく時も同じです。
私が通っている歯医者さんは、
痛くありません。
私は、歯の処置中に居眠りしてしまったことがあります。
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安全で快適な飛行機と同じで、
ベテランの医師は、
常に気をつかって痛みを察知しています。
もう少しですからしんぼうしてください、
と言うこともあります。
3D-CT(すりーでぃーしーてぃー)で熱くなるのは、
造影剤のためです。
ゆっくり入れると熱さが少なくなります。
ガマンなさらずにお話ししてください。