医療問題

手術ミス疑われた医師自殺

 平成26年5月2日、朝日新聞朝刊の記事です。
 手術ミス疑われた医師自殺
 東京・歌舞伎町の診療所で一昨年、性同一性障害の横浜市の女性(21)が乳房を取り除く手術を受けて死亡した問題で、執刀した女性院長(37)が昨年12月に自殺したことが、警視庁への取材でわかった。

 捜査1課は2014年1月、院長を業務上過失致死容疑で容疑者死亡のまま書類送検した。
 1課によると、女性は2012年5月30日、性転換のため乳房を除去する手術中に意識不明になり、搬送先の別の病院で亡くなった。院長は脈拍や血圧をモニターする機器を使わずに手術をした結果、容体の急変に気付かず、硬膜外麻酔の合併症の呼吸不全で死亡させた疑いがある。
 院長は事情聴取に「きちんと手術した」と容疑を否認。昨年12月に岡山県の自宅で自殺しているのが見つかったという。東京地検は不起訴にした。
 (以上、朝日新聞より引用)
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 とても残念に思います。
 亡くなられた院長先生のご冥福をお祈りいたします。
 乳房除去手術受け死亡
 …という2013年2月9日の院長日記に掲載した事故です。
 平成25年2月8日、朝日新聞夕刊の記事です。
 乳房除去手術受け死亡、性同一性障害の個人診療所
 性同一性障害(GID)の人を治療する東京・歌舞伎町の個人診療所で昨年5月、乳房を取り除く手術を受けた女性(21)が死亡していたことが、捜査関係者などへの取材でわかった。新宿区保健所は7月に立ち入り検査し「衛生管理に問題がある」と改善を指導。警視庁は業務上過失致死の疑いがあるとみて、執刀した院長(36)などに事情を聴いている。
 執刀の院長聴取
 診療所はGID治療を専門とし、相場の半額以下の低料金で手術を行っていた。乳房の除去手術や、体を心の性と一致させる性別適合手術は保険が適用されず高額なため、国内に数万人いるとも言われるGIDの人たちの間では、こうした零細な医療機関も一定の受け皿となっている。
 捜査関係者や女性の知人らによると、女性は心と体の性が一致しないことに悩み、診療所に1年半ほど通いホルモン療法を受けていた。昨年5月30日、乳房を除去する手術中に意識不明になり、搬送された別の病院で同日死亡が確認された。
 手術は院長が1人で担当し、看護師はいなかった。医療資格のない院長の父親が「助手」として加わっていた。司法解剖で死因は「不詳」とされた。
 院長は2004年に中国地方の国立大医学部を卒業し医師免許を取得。2009年に開業後、GIDの人に対し主にホルモン注射による治療を行っていた。乳房の除去手術を始めたのは昨年5月で、亡くなった女性への手術は2例目だった。警視庁は、麻酔薬の過剰投与などによって容体が急変した可能性がないかや、その後の処置に問題がなかったかなどを中心に調べている。
 院長は昨年8月、診療所の従業員に暴行を加えたとして警視庁に逮捕され、今年1月、暴力行為等処罰法違反の罪で懲役1年(執行猶予3年)の有罪判決を受けた。昨年10月、保健所に診療所の廃止届が提出されている。
 院長「全力尽くした」
 院長は昨年11月、勾留中の警察施設で朝日新聞記者の面会に応じた。主な一問一答は次の通り。
 -手術費がかなり安かった。
 「無駄な費用をそぎ落としたからだ」
 -死亡時の状況は。
  「手術を終え10分後に容体が急変した。すぐに酸素を注入し心臓マッサージをしたが救急隊が搬送に手間取った。私は医師として全力を尽くした。亡くなったのは搬送先の落ち度だ」
 -手術は何人で。
 「私1人。1人で十分だ」
 亡くなった女性
 「安さに不安、でも本当の体を」
 院長は「キャンペーン」と銘打って25万円という低料金で乳房の除去手術を行っていた。
 厚生労働省によると、2011年の統計でGIDの人は国内に約4千人。これは医療機関で診断を受けた人のみの数字で、GID学会会長の石原理・埼玉医大教授は「実際は数万人いるだろう」と言う。
 日本精神神経学会は1997年、カウンセリングによる精神療法と、体を変えるホルモン療法や乳房の除去手術を施したのち、必要な人に性別適合手術を施すというガイドラインを定めた。国内では現在、ガイドラインに沿って埼玉医大や岡山大などで手術が行われている。
 精神療法から手術まで通常2年程度を要するが、診療所での治療がガイドラインにのっとっていたかは不透明だ。石原教授によると、手術を急ぎたいと希望する人は多い。「手術を受けることを人生の目標にしている人もいる」。料金の安いタイなどで手術を受ける人が多いという。
 国内では大学病院など以外でも手術は行われている。都内のある男性医師は乳房の除去手術を約50万円でしているという。石原教授は「25万円は『バーゲン価格』と言ってもいい」と話す。
 院長は来院者らに、自身もGIDで、男性から女性に性転換したと説明していた。「この人なら自分たちのことをわかってくれると思った」。診療所でカウンセリングを受けたことのある女性(28)は言う。
 亡くなった女性の友人(22)によると、女性は手術前、「安さは不安。でも、本当の体が手に入ったら美容師になる夢に向けて頑張りたい」と話していたという。
 (今村優莉、宮山大樹)
 (以上、朝日新聞より引用)
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 事故と院長先生の死亡が関係あるか?
 私にはわかりません。
 性同一性障害で悩む方が多いのに、
 日本の医療制度がしっかりしてないのが現実です。
 「キャンペーン」25万円はいただけませんが、
 健康保険が適用されれば、
 「キャンペーン」25万円より安くできます
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 私が札幌医大形成外科の教員だった時にも、
 性同一性障害に悩む女性が来院されました。
 どう見ても『男の子』でした。
 おばあちゃんと来院されました。
 乳房を切除して欲しいという相談でした。
 残念なことに当時の札幌医大では、
 学内の体制が整備されておらず、
 手術はできませんでした。
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 現在、性同一性障害に悩む方が、
 乳房切除を希望されても、
 健康保険で手術を受けることができません。
 保険の手術料金は、
 K475乳房切除術 6,040点です。
 片側 60,400円です。
 両側で120,800円です。
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 手術費用の合計は、
 全身麻酔代を入れてもおそらく20万円程度です。
 自己負担分は3割ですから、
 保険適用の病院でしたら、
 6万円程度で手術が受けられることになります。
 入院してもおそらく10万円程度です。
 消費税もかかりません。
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 もし性同一性障害患者さんの性別適合のために、
 保険診療で乳房切除が受けられていたら…
 お亡くなりになった先生も、
 無理に手術を引き受けることはなかったのでは?
 …と私は残念に思います。
 現在は大学病院で性別適合手術を受けても、
 自費診療となるためとても高額です。
 公立病院で性別適合手術が保険で受けられるようになると、
 不幸な事故は減ると思います。
 国会議員の勝沼栄明先生に期待しています
 亡くなられた患者さんと院長先生のご冥福をお祈りしています

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