医学講座

熊による顔面外傷の医療コスト

 2014年7月12日(土)に開催された
 第30回北日本形成外科学会学術集会で
 興味深かった内容です。
 熊による顔面外傷の医療コスト
 池村 巧、本多孝之、後藤 文、安岡智之、長尾宗朝、柏 克彦、小林誠一郎
 (岩手医科大学形成外科)
 岩手県では熊による顔面外傷の患者が毎年みられる。損傷の程度が大きければ専門的な創処置が必要となり全身麻酔下に複数の医師による数時間の手術となる。しかしながら骨折を伴わない症例の場合、手術コストは創傷処理およびデブリードマン加算のみの算定となる。今回、熊による顔面外傷の症例において時間、人員、器材等の医療コストを算出するとともに、今後の保険算定への提言を含めて報告する。

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 岩手医科大学形成外科は、
 日本でも歴史のある形成外科です
 東北地方で、
 はじめて形成外科教授が就任され、
 形成外科が標榜されたと記憶しています。
 日本形成外科学会総会も開催されています。
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 北国には、
 北国特有の外傷があります。
 熊による顔面外傷は悲惨です。
 はっきり言って、
 顔をぐちゃぐちゃにされます。
 治すのは大変です。
 形成外科医はいっしょうけんめい治します。
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 岩手医科大学形成外科の池村先生によると、
 形成外科専門医一名、
 3年目の形成外科医一名、
 研修医一名、
 合計3人の医師が、
 5時間もかかって手術をして、
 請求できる手術代金は約2万5千円程度です。
 これが国が決めた診療報酬です。
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 どう考えても安すぎます。
 同じくらいの時間と手間がかかる手術でしたら、
 最低でもその10倍、
 25万円程度の費用がふつうです。
 私が経験した、
 重症の顔面外傷、
 私の顔を治してくださいの患者さんも同じでした。
 池村先生のご発表を契機に、
 顔面外傷の診療報酬を改定していただきたいと願っています

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