医学講座
もしも、先生が倒れたら…
今日は2018年11月18日(日)です。
札幌は雪が降りそうなくらい寒いです。
先日、北海道医師会から送られてきた、
所得保障保険のパンフレットです。
毎年この時期に送られてきます。
昨年と表紙は同じですが、
中の文章が変わっていました。
とてもよくできたお話しなのでご紹介します。
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もしも、先生が倒れたら…
とある内科クリニックのお話
雪がちらつく11月の午後、内科医北海太郎は悩んでいた。
学生時代はラグビープレーヤーとして鳴らし、健康そのものを自負していた北海であったが、念のためと思い受診した人間ドックでI期の肺がんであることが判明したのである。
内科クリニックを開業して10年。順調に業容を拡大し、売上高は年5,000万弱、看護師3名と事務員2名をスタッフとして雇用し、法人化の検討を始めた矢先の発病であった。
病期はさほど深刻ではないものの、入院も含めた治療により、3~4か月程は完全に休診せざるを得ないうえ、その後も定期的な通院(化学療法など)による休診期間が発生する。
休診期間中、収入はゼロとなってしまうが、スタッフの雇用にはコストがかかり続ける、辞めてもらうこともできなくはないが、復帰後に同レベルのスタッフを再度集めることは困難であると思われた。
また、北海はクリニックの院長であるとともに、家庭を持つ二児の父でもあり、家族の生活費は発病前と変わることなくかかり続ける。嬉しいことに子どもは二人とも医学部への進学を目指してくれているが、仮に私立大の医学部へ進学した場合、子ども1人に3,000万円を超える学費がかかることも珍しくない。
クリニックを開業したときの借入金と、一昨年に購入した自宅の住宅ローンも残っており、月々の返済が重くのしかかる。まずは妻に打ち明けねばならないが、妻の反応を想像するとため息をつくしかない北海であった。
この話はフィクションです。
■ ■
開業医は大変です。
身体が資本です。
病気になったら、
その日から収入がゼロになります。
この話しはフィクションですと記載されていますが、
かなりクリニックの内情に詳しい方が書いています。
おそらく何人もの先生が窮状を助けてもらったと想像します。
■ ■
フィクションに登場する、
内科医、北海太郎先生は、
医業収入…約400万円/月
毎月の固定費…約220万円/月
(人件費、借入金返済など)
毎月の生活費…約90万円/月
(住宅ローンを含みます)
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クリニックは、
内科診療所(無床)
従業員
医師1名(本人)
看護師:3人
事務員:2人
家族構成
妻(専業主婦)と子ども2人(医学部志望の高校生と中学生)
自宅:3年前にマンションを購入
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このパンフレットは、
北海道医師医師会館にある会社から送られてきました。
引用させていただいたので、
連絡先を書いておきます。
株式会社メディコ北海道
札幌市中央区大通西6丁目北海道医師会館3F
注意していただきたいのが、
税務上の処理です。
私は所得保障保険の保険料を経費に計上したので、
税務調査で多大な申告漏れを指摘され、
数百万円を払いました。
このことだけは注意してください。
医療法人の場合は損金に算入できます。