医学講座
形成外科の手術室
昨日の院長日記、
無影灯の点検をしていただきましたに、
えりーさんから、
コメントをいただきました。
どこの手術室にも必ず無影灯があるのでしょうか?
厚生労働省が定めた基準があります。
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手術室の施設基準等
・なるべく準備室を附設し,じんあいの入らないようにして,手術室の内壁全部を不浸透質のもので覆われていること
・適当な暖房及び照明の設備
・清潔な手洗いの設備を附属して設置
この中の清潔な手洗いの設備
…というところが変わりましたが、
医療法(昭和23年法律第205号)
病院の構造設備基準に関する関係法令
…という規定があります。
■ ■
最近の病院にはさまざまな手術室があります。
私の経験では、
整形外科で人工関節の手術をする手術室が、
一番最新の手術室だと思います。
大きな病院でも、
形成外科の手術室は、
あまりいいところがあたりません。
無影灯への思い
2018年1月20日の院長日記に書きました。
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500床程度の病院で、
10以上の手術室があるのがふつうです。
中央手術部には、
大小さまざまな手術室があります。
大きな手術室は、
だいたい腹部外科や胸部外科など、
メジャーと呼ばれている診療科が使います。
形成外科はマイナーです。
■ ■
一年間の手術件数で数えると
小さな手術が多いこともあり、
形成外科はトップクラスになることもあります。
悲しいことに、
後発組で、
マイナーの形成外科が使う手術室は、
一番奥の小さな手術室が多かったです。
ついている無影灯も、
形成外科が使う部屋は、
古い無影灯か小さな無影灯でした。
■ ■
形成外科は、
頭から足まで、
からだじゅうを手術します。
皮弁採取部と、
皮弁移植部のように、
2箇所で同時に手術をすることもあります。
はっきり言って、
満足な無影灯はありませんでした。
■ ■
助手が皮弁採取部を縫合する時の無影灯は、
小さな無影灯でした。
助手は先輩より下手なのに、
満足な明かりもなくて、
苦労して皮弁採取部を縫合した思い出もあります。
明るくて、
大きな無影灯は私の♡夢♡でした。
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大きな病院で手術室を使える曜日は、
科ごとに決まっています。
形成外科が使える日は、
多くても週に3日。
少ないと週に2日程度です。
ですから、
通院で行う形成外科の手術は、
外来の横にある、
処置室
…で行うこともあります。
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先日、札幌美容形成外科で手術を受けてくださった看護師さんが、
前に皮膚科で手術を受けた時とは、
まったく違う手術室でした
…と感想を述べてくれました。
幸いなことに、
キズも目立たず、
とても満足してくださいました。
私の手術室へのこだわりは、
自分の手術へのこだわりでもあります。
いい手術室でいい手術をします。
64歳でも元気で働いています。