医学講座
抄読会の思い出
1980年に北大形成外科に入局した頃は、
形成外科のけの字もわかりませんでした。
きれいに縫うだけだから簡単だろう?
…と思うのは大きな間違いです。
形成外科でも勉強は大切です。
北大形成外科では、
抄読会しょうどくかい
…という勉強会がありました。
■ ■
助教授だった故浜本淳二先生が担当でした。
PRSという米国形成外科学会誌の論文を、
一人2~3編ずつ割り当てられ、
それを訳して読んで、
内容を要約して発表するのです。
月曜日の夜に抄読会が多かった記憶があります。
月曜日は手術日だったので、
手術の後でPRSを読みました。
■ ■
新しい時代の外国雑誌購読
2011年10月13日の院長日記に書いてあります。
私が医師免許を取得した30年前、
一人前の形成外科医になるために…
英文雑誌の定期購読をしました。
北大形成外科では、
抄読会(しょうどくかい)という…
外国雑誌を読む勉強会がありました。
■ ■
一年目の私は、
PRS(ぴー・あーる・えす)という…
米国形成外科学会雑誌、
British Journal of Plastic Surgery…
…の2つの外国雑誌を注文しました。
British Journal of Plastic Surgeryは英国の雑誌です。
ぶりてぃっしゅと呼んでいました。
■ ■
私は英語は嫌いではありませんでしたが、
内科系の論文は、
字と数字ばかりで…
目が痛くなるほど細かい字でした。
それと比べて…
形成外科の論文は、
写真が豊富です。
字を読む前に写真を見るだけで、
どんな内容かわかりました。
■ ■
私が形成外科を選んだ理由の一つが、
論文を読んでも興味深いことでした。
頭が良い方ではなかったので、
ビジュアルに理解できる形成外科が好きでした。
それでも専門用語はわからず…
医学英和辞典を引いても…
さっぱりわかりませんでした。
■ ■
外国雑誌は航空便で届きました。
日本の代理店を通して注文します。
割引があったので、
私は北大生協から注文しました。
割引があっても…
米国と英国の2つの外国雑誌を注文すると…
一年間で10万円を超えました。
■ ■
今から考えると恥ずかしいですが、
一年目の私は、
医学英和辞典を引いても、
理解できない単語がたくさんありました。
わからなかったのが、
Pedicleぺでぃくるという単語です。
英和辞典を引くと茎くきと出ています。
このくきがわかりませんでした。
■ ■
形成外科は、
組織の移植をする診療科目です。
組織移植の移植は、
Transplantの移植
つまり植物の移植と同じなのです。
移植する時に、
茎くきを傷めると枯れます。
人間の組織も同じで、
茎が大切なのです。
形成外科では茎けいと呼びます。
今となってはなつかしい思い出です。
“抄読会の思い出”へのコメント
コメントをどうぞ
抄読会でなく秒読会かと思いました。 英語をマスターしてないと困りますね。 しかし医学書はお金がかかりますね。 先生はアルバイトなどしていらしたのでしょうか?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。医学書も学会もお金がかかります。はい、北大時代は老人病院の当直などのアルバイトをしていました。
医学用語で、更に英語って難しいですよね。
先生は英語スピーチの学会も聞いていると伺ってましたので
謙遜されてますが流暢なのだとおもいます。
言われてみると茎って確かに大切デスね。
土台の状態が悪ければいけませんもんね。
今年はいくらになるのでしょう?
少しでも安く講読できますように。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。まだ購読申し込みはしていません。さすがに30万円は高すぎです。