医学講座

ニセ医者「見よう見まね」で10年間美容整形手術!

 私が日本熱傷学会で出張中の事件です。
 無資格で美容手術の疑い クリニック経営者ら逮捕
 2017年5月23日(火)日刊スポーツWEBサイトの記事です。
 高知県警生活環境課などは23日、医師の資格がないのに美容整形手術をしたとして、医師法違反の疑いで同県香美市土佐山田町山田、クリニック経営谷川延洋容疑者(71)と高知市丸ノ内、同職員の森勉容疑者(61)を逮捕した。
 逮捕容疑は共謀して2016年2月上旬、医師でないのに、谷川容疑者が経営する高知市本町の「医療法人医信会西武クリニック」で、同市に住む自営業の女性(49)に、麻酔注射や二重まぶたの整形手術をした疑い。
 生活環境課によると、森容疑者が実際に手術をしていたとみられる。谷川容疑者は「全く知りません」と容疑を否認。森容疑者は容疑を認めている。2人が昨年、他に少なくとも4人の女性に整形手術をしていたとみて調べている。
 昨年8月、厚生労働省四国厚生支局麻薬取締部の立ち入り検査で発覚した。(共同)
 (以上、日刊スポーツWEBサイトより引用)
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 ニセ医者「見よう見まね」で10年間美容整形手術!
 高知の西武クリニック職員、オーナーを逮捕
 2017/5/24、J-CASTニュースです。
医師免許がないのに、100人以上に美容整形手術をしていたという高知市の医療法人「西武クリニック」の職員、森勉容疑者(61)が医師法違反の疑いできのう23日(2017年5月)、逮捕された。医学部にも行かず、「見よう見まね」で習得したといい、10年間も「ニセ医師」として手術をしていたという。 
逮捕事実は昨年2月(2016年)、高知市内の女性(49)に無免許で美容整形手術をした疑いだ。森容疑者は本人によると、京都の大学を卒業し、商社に勤務したりタクシー運転手をしたりしたあと、名古屋市の病院で事務職員として12年間働いた。そこで、医療器具の洗い物をしながら、手術の間近で「見よう見まね」で学んだ。その後、2005年から西武クリニックに入り「大阪の医大を出た」などと話し、医師として整形手術をしていた。家賃20万円の賃貸マンションに住んでいたという。
 西武クリニックには専用のホームページはないが、美容整形の口コミサイトでは知る人ぞ知る病院だった。手術費用の目安は「二重まぶた10万円」「目の下のほくろ取り 30万円」「豊胸 65万円」と 決して安い料金ではなかった。
 ■プラセンタ注射やしみ取り、ほくろ取りも
 逮捕前のインタビューで森容疑者は「(手術したのは)10年以上、100人以上ですね。(施術していたのは)更年期前後の人に効果があるプラセンタ注射やしみ取り、ほくろ取り、いぼ取り。麻酔を打ち、電気メスで切りとることもやりました」。専門家によると、電気メスは難しく危険だというが、本人は悪びれもなく、スラスラと語る。 
 最後に森容疑者は「ご迷惑をおかけして本当に申し訳ないと思っています。反省もしますし、後悔もしています」と殊勝な顔つきで話していた。
 司会の小倉智昭「見よう見まねで整形手術されるとはたまったもんじゃないですよ。手術代がかなり安いと、あれっと思うかもしれないが、他の病院とあまり差がないと、案外、信用されていたのかもしれない」
 この逮捕のきっかけは、整形手術のトラブルなどとは関係なく、麻薬取締官が麻酔をしっかり管理しているかどうか立入調査に入ったときに、本人が医師免許を持っていないことが分かり発覚した。これがなければ、いまも多くの人が整形手術を受けていたかもしれない。森容疑者がニセ医師と知りながら、医療行為をさせていたとして西武クリニックのオーナーの谷川延洋(71)も医師法違反の容疑で逮捕された。
 (以上、J-CASTニュースより引用)

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 こんなニュースを読むと、
 「見よう見まね」で美容整形の手術ができると思う方や、
 美容整形は簡単なんだ!
 …と誤解する、
 ほんものの医師免許証を持った先生がいると思います。
 美容外科医の求人情報を見ると、
 転科可(ゼロから教えます
 …と書いてあるチェーン店があります。
 そんなに甘くはありません
 退職する先生が多いので求人もたくさんあるのです。
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 ニュースでは、
 クリニックが悪い!
 オーナーも逮捕
 …という印象を持ちます。
 確かにその通りですが、、、
 私は10年間も見つけられなかった、
 行政の責任もあると思います。
 診療所開設届には医師免許証が必要です。
 自由診療の美容整形でも、
 保健所の検査があります。
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 私は院長として勤務していたなら、
 10年以上で100人以上
 …は少ないと思います。
 桁が1つか2つ違うと思います。
 札幌美容形成外科の患者さんは13年で1万人以上です。
 どんな美容外科だったかわかりませんが、
 10年で100人なら倒産か閉院です。
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 一つだけ幸いなのは、
 整形手術のトラブルなどとは関係なく、
 麻薬取締官が麻酔をしっかり管理しているかどうか立入調査に入ったときに、
 本人が医師免許を持っていないことが分かり発覚した。

 …ということです。
 しみ取り、
 ほくろ取り、
 いぼ取り

 …は簡単ではありません。
 悪性腫瘍の見落としがなくてよかったです
 美容外科を選ぶのは難しいです。

“ニセ医者「見よう見まね」で10年間美容整形手術!”へのコメント

  1. なっちゅん より:

    報道で知りました。
    反省してます。と言いながらも
    神妙な面持ちには伺えませんでした。

    私も10年で100人はおかしいと思ってました。
    1年で10人ってことですから。

    被害はなかったようですが
    手術を受けた女性は二重がゆるく
    瞳があまり見えませんでした。

    騙されたとかなりショックを受けていたようです。
    鼻は映されてませんでした。

    なんちゃっても困りますが
    医師を名乗って、
    採用の際、医師免許を見せなかったのでしょうか?

    そういう義務はないのですか?

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。医師免許証は紙の卒業証書みたいな形式なのです。一応すかしが入っていますが偽造してもわかりにくいと思います。保健所にはコピーではなくほんものを提出します。開設届だけほんものの医師に届けてもらって、後はノーチェックということもあります。


    私の医師免許証です

  2. さくらんぼ より:

    見ようみまねで手術して本当に失敗はなかったのか不思議です。 患者もまったくにせ医者だとわからなかったのでしょうか? ほんとに行政ももっとしっかりしてもらいたいです。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。きっと慎重な人だったのだと想像します。自分ができる範囲のことだけやっていて周囲も気付かなかったと想像します。それにしても10年はすごいです。

  3. えりー より:

    逮捕者で自称何とか目にしますが、
    自称医師もいるとは驚きました。
    しかも10年間手術も担当していた
    なんて信じられません。
    本間先生のおっしゃるとおり、
    悪性腫瘍の見落としがあったらと
    考えると恐怖です。
    患者側は病院の看板を掲げていると、
    医師免許など疑いなく行くと思うので、
    行政もしっかり対応して欲しいです。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。今までもニセ医者事件はありましたが10年も同じ場所で開業できたのは、ある意味すごいです。そんなに簡単なものじゃありません。ずーっとひやひやしながらやっていたと想像します。

  4. すみれ より:

    こんな事件があったことなど知りませんでした、それにしても、10年で100人はおかしいですよね。ひどい被害がなくて良かったですが、美しくなりたい、という女性の心理を利用したようで、許せません。本間さんのような良心的な先生を見抜く患者のほうも、しっかりしなくてはいけませんね。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。10年もよくやったものです。きっと一緒に働いた看護師もニセ医者と知らなかったのだと思います。札幌ですらエステでほくろを除去したという話しを聞いたことがあります。保健所も人手不足で監査ができないのだと思います。

  5. くくるん より:

    これは超ヤバイですね。
    数年前に東京の高島平中央病院でニセ医者が診療してた事件もありましたが、それのさらに上を行く衝撃です。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。お金を払って施術していただいた方の中にはきっとリピーターもいらしたと思います。残念な事件です。

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