医学講座
厳しい寒さ備え不足 関連死増の恐れも
今日は2024年1月10日(水)です。
札幌は寒いです。
朝の最低気温が-7℃でした。
これから一年で一番寒い季節を迎えます。
この時期に地震で停電になると大変です。
電気がないと暖房ができません。
能登半島の被災地が心配です。
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2024年1月10日(水)、北海道新聞の記事です。
厳しい寒さ備え不足 関連死増の恐れも 政府、ストーブ供給急ぐ
能登半島地震の被災地は2月にかけ過酷な寒さが予想される。政府は、毛布や石油ストーブなどの供給を加速する構えだ。しかし物資不足は深刻。石川県は9日、避難生活などを原因とする関連死弓人を確認したと初めて発表した。低体温症などで今後、増える恐れもある。
石川県志賀町の会社員山本政人さん(66)宅では瓦が剥がれ、雪が住宅の屋根に染み込み雨漏りするようになった。
「ブルーシートをかけられた家はまだまし。みんな諦めの境地」と話す。同町の給水所を訪れた80代男性は「窓も割れて寒く、せめてお風呂に入って温まりたい。そんな日はいつ来るのが」と嘆いた。
真冬の被災者は、寒さと闘わなければならない。被害が大きかった石川県輪島市の1月の平均気温は3.3度。積雪も多く、最低気温が氷点下を記録する日もある。これから2月半ばにかけては、さらに気温が下がる。
2011年の東日本大震災では、津波で助かったのに、寒さで命を落とした人もいた。
政府は、23年度の予俑費から被災者支援のため約47億4千万円の支出を閣議決定。寒さ対策として、石川県の被災市町向けに、石油ストーブ約100台や毛布約3万枚、冬用の衣類約3千着、使い捨てカイロ約25万個を、金沢市の物資集積拠点まで送る。
松村祥史防災担当相は9日の記者会見で「全力を挙げ、現場のニーズを柔軟に捉えながら対応をしている」と強調。被災者を環境の悪い避難所からホテルや旅館に移す「2次避難」にも力を入れるとした。
自治体の備蓄にも課題が残った。石川県七尾市の指定避難所の体育館には、多い時で約400人が避難していたが、食料や毛布の備蓄はなかった。避難所の担当者は「市はこれだけ大規模な災害を想定していなかったのかもしれない」と振り返る。
市内の別の避難所で過ごした女性(73)は「着の身着のまま逃げたが、雪が降る地域の避難所には毛布ぐらいあると思っていた」と困惑する。
日本赤十字北海道看護大の根本昌宏教授(寒冷地防災学)は「寒冷対策を考慮した避難所の備蓄ができている自治体は少ない」と指摘する。
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道新がいい記事を書いてくれました。
冬に停電になると病院の暖房も止まります。
北海道の病院で大規模停電に対応できるのは、
私の記憶が正しければ市立札幌病院だけです。
高度救命救急センターがある札幌医大病院にも、
大規模停電に対応できる蓄電設備や自家発電はありません。
自家発電があっても燃料の備蓄は多くないです。
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市立札幌病院には駐車場の近くに非常用電源があります。
今の市立札幌病院を建築する時にはありませんでした。
市立札幌病院の耐震性能は札幌市役所より強いはずです。
建築前に札幌市建築局から病院に何人もいらして、
災害に強い病院を建築しました。
それから30年近く経過しています。
北海道の避難所で寒さ対策ができているところは、
あってもほんの一部です。
冬に大地震が来ても困らないようにするべきです。
“厳しい寒さ備え不足 関連死増の恐れも”へのコメント
コメントをどうぞ
市立札幌病院の耐震性能は
すばらしいのですね。
先生のおっしゃるように
寒さの厳しい時期の自然災害の対策を
早急に考えてほしいです。
個人では限界もあると思いました。
今、被災されている方々がとても
心配です。高齢者が多い地域のよう
ですので、希望者だけでも水、電気等、
心配のない所に移動することはできない
でしょうか。考えてしまいました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。私は市立札幌病院の建築時に札幌市に採用されました34歳でした。1989年です。札幌市建築局から病院にたくさんの方がいらして災害に強い病院をつくりました。その時に形成外科もできることになりました。今の病院が桑園にできたのが1995年です。420億円かけて建設されました。その後に非常用電源設備もできました。2018年の北海道地震の時には電気と水を必要とする透析患者さんを引き受けました。札幌市内で正常に診療ができたのは市立札幌病院だけでした。北海道の地方都市で厳寒期にあたたかい避難所を確保できているところはないと思います。
今、ストーブが付いてることが
幸せなのだと思いました。
被災されてる方、大変だと思います。
1週間ぶりにお風呂が完成したと
ネットニュースで読みました。
温まりいいですね。
それでも寒くお辛いと思います。
市立札幌病院の耐震性能は
優れているのですね。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。市立札幌病院は耐震性能が優れた病院なので建築費が同規模の病院よりかかっています。そのため減価償却費が高く、どうしても赤字になります。災害に強い病院をつくるのはお金がかかるので民間では無理です。行政として災害対応を考えるのは大切なことだと思います。2018年の地震では市立札幌病院が大活躍しました。
山形も低温注意報が出ていて明日はマイナス9度です。
雪はありません。
被災地も寒くて大変だと思います。
3・11での教訓は活かされていない気がします。
震度7にも耐えられる建物や他人事とは思わないでこうなる前に行政は対策を立てておくべきです。
東海地震ばかりが言われてきましたが、能登で起こったのです。
日頃から簡易トイレなどの準備が必要です。
そのための危機管理課があるのではないですか?
耐震に力を入れた市立札幌病院は素晴らしいです。
やはりあのストーブのヤカンの熱湯を浴びた5才の男の子は亡くなりました。ある意味病院の対応が悪い気がします。
市立札幌病院に自衛隊のヘリで運んでくれたらなぁと思いました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。5歳の男の子の記事が北海道新聞に掲載されていました。熱傷専門医が診たかどうかわかりませんが、救命できたのでは?と……とても残念に思っています。私も3・11での教訓が活かされていない気がします。地震に強い国づくりをすべきです。早く被災地の人たちがあたたかい家とお風呂に入れたらと思っています。山形の-9℃は大変です。果樹園に被害が出ないことをお祈りしています。