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最初の美容外科患者様

 コラーゲンの臨床試験については3月2日に書きました。北大形成外科といえども、シワをとって下さいという患者様はいらっしゃいませんでした。家内が目尻のシワをとって欲しいと皮内テストをしましたが、アレルギー反応が出て、蚊に刺されたように赤く腫れてしまいました。
 大浦教授は、自分の額のシワに注射するように私に命じました。まず自分で身をもって実験台になるという精神は、大浦教授から叩き込まれました。教授の方針は、自分の身内にできないような治療は、決して行ってはならないでした。
 家内の次は、私の母親が実験台(被験者)になりました。当時の記録を読むと58歳と書いてあります。もう20年前になります。私の母は、怖いオバサンだったので、眉間にいつもシワがありました。本人も気にしていて、北大で臨床試験をしているコラーゲンで治ると言うと、是非治療を受けたいと言いました。母親はアレルギー反応も出ず、コラーゲンですっかりシワがキレイになりました。
 私の周りには、あまりシワを気にしている人がいなかったので、身内以外にはお客様はいらっしゃいませんでした。
 大浦教授の患者様で、交通事故でケガをなさった美しい女性がいらっしゃいました。その方は、札幌で事業を営んでいらっしゃる女性経営者でした。美容にも大変造詣が深く、年齢よりもずっと若く見えました。はじめてお会いした時はカルテの年齢が間違っている?と思ったほどでした。その方は、既に美容外科をご利用になった経験があり、当時の私より、よほど美容外科に詳しく知識も豊富でした。教授の指示通りに慎重にコラーゲンを注射し、その方はますます若く美しくなりました。
 ところが何度かコラーゲンを注射していくと、非常にマレな副作用が出ました。前にコラーゲンを注射した部位が、赤くなるという副作用でした。数万人に一人の割合で起こることはメーカーからの情報で知っていましたが、私は焦りました。すぐに教授に報告しメーカーにも報告しました。
 私はその方に謝り、『非常にマレなケースです。今は少し赤くなっていますが、約1ヵ月程度で少しずつ薄くなります。申し訳ございませんがお化粧で隠して下さい。』
 その方は怒りもせず『イイのよ、先生気になさらないで。必ず快くなるのでしょう?少し赤くて可愛くなったって言ってくれる人もいるのよ』と言ってくださいました。
 私は、『どうしてくれるの?いつになったら治るの?』と怒られるとばかり思っていたので、逆にとても驚きました。自分の身に起こった副作用も悪く考えず、前向きに考える思考、今流行のことばで言うと『鈍感力?』が、その方を成功に導いたのでは?と思います。もし、私がその時にこっぴどく怒られていたら、私は美容外科がイヤになり、決して美容外科医にはならなかったと思います。今でもその患者様に感謝しています。

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