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天使病院
平成19年8月10日と11日の北海道新聞に天使病院の記事が掲載されていました。
天使病院は札幌市東区にある260床の病院です。明治44年(1911年)に開院した歴史のある病院で、札幌市民や北海道の人にはよく知られています。私の長男も天使病院で生まれました。
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その名前の示す通りキリスト教の病院でした。以下は天使大学HPから引用しました。
1908(明治41)年「マリアの宣教者フランシスコ修道会」本部(ローマ)から7名の修道女が札幌に派遣されました。修道女たちは施療所(現・カレスアライアンス天使病院)を開設し、日夜貧しい人々へ手をさしのべ、病める人々に献身的な看護を行いました。
1924年(大正13年)に病院付属看護婦養成所を開設。
1947年(昭和22)年に札幌天使女子厚生専門学校が設立されました。
現在まで60年間で8500名以上の卒業生が看護師・栄養士・養護教員などとして活躍されています。
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天使大学の同窓会長は、鎌田とし子先生です。栄養科5期卒。東京女子大学名誉教授で社会福祉学博士です。
私は一度鎌田先生のお話しをお聞きしたことがありますが、とても優秀な先生でした。
昔の天使病院には、たくさんのシスターがいらして、病める病者に優しい愛の手を差しのべていました。
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2003年(平成15年)7月から社会福祉法人 聖母会から医療法人社団カレスアライアンスに病院事業が継承されました。
当時の藤本征一郎病院長の2005年のお言葉です。
公益性が求められる病院は「社会公器」であり、目先の「利益」よりは「義」が重んじられなければなりません。公益性を指向する「運営」が経営を改善し、受療される地域の皆様と病院職員一同とが、ともに初めて満足感を共有しうるものと私は考えます。
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天使病院で何があったか私にはわかりませんが、産婦人科医全員が9月末で辞めてしまうそうです。
天使病院は地域周産期母子医療センターという早産や重い妊娠中毒症など高いリスクの出産を受け入れている数少ない病院の一つです。
天使病院が産婦人科を休診すると、重症の妊婦さんが受け入れてもらえない可能性が出てきます。奈良県の死亡事故が思い出されます。
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天使病院の院長になられた杉原平樹(スギハラツネキ)先生は私の恩師です。初代、北海道大学病院長です。
杉原先生の再建手術は慎重で丁寧な手術でした。‘失敗した’手術を見たことがありませんでした。私たち北大形成外科同門の間では「スギさん」と親しみを込めて呼ばれていました。
杉原病院長のご尽力で、何とか天使病院から産婦人科の灯を消さないで欲しいと願っています。数多くのシスターもお祈りなさっていることと思います。