医学講座

ニキビの芯

 2007年8月20日の日記にも書きました。
 ニキビが赤く腫れ上がって、ずっと治らないことがあります。
 私自身も、高校生の頃に左のホッペにできました。
 痛いのをガマンして指で押し出そうとしましたが、
 何度試みてもうまく出ません。
 そのうち、血が出て赤くなります。
 ほんとうに憎たらしくなった記憶があります。
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 このような難治性のニキビには‘芯’があります。
 多くは毛根と毛根のそばにある、皮脂腺が炎症を起こしています。
 毛根には、上皮細胞という細胞があります。
 この細胞から、白い垢(アカ)のような物質が出ます。
 これと皮脂がうまく排出されずたまると芯になります。
 炎症を起こして‘肉芽(ニクゲ)’という状態になっていることもあります。
 指でつぶしても、痛いだけで出ません。
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 皮膚科では、面皰圧出子(メンポウアシュツシ)という、
 小さな穴が開いた器具で圧迫して押し出すのが一般的です。
 ただ、赤く硬くなってしまったニキビの芯はこれで取れないことがあります。
 この厄介な芯を取るのに有用なのが、手術用顕微鏡です。
 先の細い特殊なピンセットで取ります。
 マイクロ摂子(セッシ)といいます。
 毛の根っこまで、実によく見えます。
 先日、別の手術でいらした方のアゴに、
 この難治性ニキビがありました。
 時間があったので、ニキビをちょっと治してあげました。
 手術用顕微鏡で見ながら、中の芯を取りました。
 一ヵ月以上も治らなかったニキビが治りました。
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 手術以上に、ニキビが治ったことで感謝されました。
 ニキビの治療は専門ではありませんが、
 芯を取るのは顕微鏡を使うと上手にできます。
 忙しい時間帯や曜日にはできませんが、
 時間がある時には、お引き受けしています。
 毎日、ニキビと格闘している人は意外と多いものです。
 毛が原因となっている場合もあります。
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 抗生物質をずっと飲みつづけても快くなりません。
 原因となっている毛を処理するとか、
 ホルモンバランスを改善すると治ることがあります。
 私ができるのは、芯をとることと
 毛を無くすること位ですが、
 ニキビで悩んでいる方の役に立てることもあります。
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 残念なことに、毛を焼くレーザーフェイシャルは、
 保険外診療になります。
 ニキビで悩む高校生には少し費用が高いのが難点です。
 ニキビの芯をとる処置は、保険診療でできます。
 こちらは、医療機関が赤字になるほど料金が安いのが難点です。
 どこの皮膚科でも、あまり宣伝していないのは…
 ニキビの患者さんが殺到して、赤字になったら困るからでしょうか?
 赤くて硬く治らないニキビは芯を取ると快くなります。
 自分では取れなません。
 皮膚科や形成外科などの、保険医療機関でご相談ください。

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