医学講座

日本形成外科学会(名古屋)②

 今日の名古屋は雨でした。
 満開だった桜も雨で散っていました。
 今日の学会では、ポスター展示を見ました。
 私が一番熱心に学会発表をしたのは、
 30歳台の時でした。
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 4月に開催される学会に発表を申し込むのは、
 前年の11月頃です。
 春の学会が終わったと思ったら、
 次の学会に発表する‘ネタ’を考えなくてはなりません。
 今は、気楽な開業医ですから、
 学会に参加して、発表を聴くだけで十分です。
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 勤務医の頃は、病院が学会の認定施設になっていました。
 認定施設になるためには、
 学会発表を積極的にしている、という条件が付きます。
 認定施設は、年に一度、学会に報告書を提出します。
 どんな手術を何件くらいしました、
 とか、
 患者さんの数はこのくらいでした、とかです。
 昔は、手術件数さえあれば認定施設になれました。
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 ところが、ある時から論文を書いたり、
 学会発表をしていないと、
 認定施設を取り消されることになりました。
 そうなると、私の下にいる研修医が困ります。
 どんなに大きな病院で研修していても、
 日本形成外科学会認定施設でないと、
 形成外科専門医を取得できません。
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 ですから熱心に学会発表をしていました。
 学会に演題(発表する題のこと)を申し込むと、
 学会から、発表してもOKです。
 とか、
 あなたの発表は残念ですが受理できませんという、
 ‘返事’がきます。
 日本の学会でしたら、‘ダメ’と却下されることは、
 まずありません。
 私自身ですと、一度だけダメと言われたことがあります。
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 いい加減な発表をされると困るので、
 ‘こんな研究をして、こんな結果が出たので発表します’
 という抄録(ショウロク)という書類を出して審査されます。
 発表区分も、
 シンポジウム、
 パネルディスカッション、
 一般演題、
 ポスター展示、
 と分かれます。
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 せっかく発表するのだから、
 みんなの前で、発表したい!
 という人もいます。
 ポスター展示は、一般演題から外れた人が、
 仕方がなく出すというイメージを持つ人もいます。
 私も一時そう思ったこともありました。
 ただ、今から思うとポスター展示で発表した内容を、
 そのまま外国雑誌に英文で投稿して、
 一発で受理されたこともありました。
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 ポスター展示のよいところは、
 熱心な先生にたくさん見ていただけるという点です。
 口頭発表は、一度に3~4の会場で同時進行で行われます。
 もし自分が聞きたい発表が同じ時間にあると聞けません。
 その点、ポスターでしたらたくさんの先生に見ていただけます。
 また、ポスター展示は、字数制限がありません。
 論文形式で作成することもできます。
 図表はそのまま使えるので、
 論文にしやすいという利点もあります。
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 口頭発表もポスター展示も、
 内容を見ると、その先生のレベルがわかります。
 もしある程度の知識がある、一般の方が見ると、
 (‘オエッ!’というような写真もたくさんありますが…)
 発表している先生が、真面目かどうかもわかります。
 残念ながら、日本形成外科学会は非公開です。
 一般向けの市民公開講座はあります。
 来年は、4月22日(水)~24日(金)まで、
 パシフィコ横浜で開催されます。
 一般の方に形成外科をもっと知っていただきたいです。

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