医療問題

町立厚岸病院黒字化

 平成20年4月21日、北海道新聞朝刊の記事です。 
 町立厚岸病院6年ぶり黒字
 地域に密着目配りこまやか
 信頼回復、患者2割増
 医師定着、“お茶懇で”健康指導
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 【厚岸】全国の自治体病院の経営が悪化する中、
 釧路管内厚岸町の町立厚岸病院(98床)が、
 この2年間で患者数を2割も増やし、
 経営を好転させている。
 佐々木暢彦院長(54)をはじめとする勤務医たちが
 地域に根ざした診療方針を打ち出し、
 患者の信頼を取り戻したことが大きい。
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 病院会計の経常収支は、
 町からの補助金上乗せもあるが、
 2006年度以降、単年度で黒字転換。
 自治体病院再建のモデルケースとして注目されそうだ。
  (厚岸支局 中川大介)
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 「○○ちゃんのお兄ちゃんだね」。
 診察室で、
 小児科医の佐々木院長が患者の子供に優しく語り掛ける。
 町内の主婦(38)が
 「昨年、子供の通院先を釧路の病院から切り替えました」
 という通り、
 家族構成や生活環境まで目配りする医師たちの姿勢が
 じわじわと町民の支持を得て患者数が増えた。
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 佐々木院長が着任した2006六年度の患者数(入院、外来)は
 85,300人で前年度比18%の増加だ。
 同年度から小児科を再開したこともあるが、
 道内自治体病院の患者総数が同6.3%減る中で
 全道一の伸びを見せ、
 経常収支は6年ぶりの黒字(3,000万円)に。
 2007年度は患者数がさらに同3%増えて
 5,000万円の黒字を見込んでいる。
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 以前は2004年度が3億7千万円、
 2005年度が2億5千万円の赤字。
 同年度の不良債務は5億円を超えた。
 町が各地から「一本釣り」した医師が定着せず
 一年ごとに入れ替わり、
 病院内部に不協和音も生じて
 患者は車で一時間の釧路市に流れた。
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 そうした中、
 町の求めで札医大の地域医療総合医学講座助教授から転じた
 佐々木院長が着任し、
 患者に対する「信頼再生」に力を注いだ。
 総合医を目指す同講座所属の医師らが定着し、
 現在は内科、外科など6科で常勤医5人、
 研修医1人の体制で二次救急も引き受ける。
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 医師が地域に出向く
 「お茶の間健康づくり医療懇談会」は
 この二年間で26回、
 検診結果を医師が地域で報告する相談会も10回を数える。
 一方で支出削減を徹底し、
 収入で費用を賄えた比率を示す医業収支比率は
 2006年度で95.1%と前年同期比で15ポイントも上昇。
 全道の町村立病院ではトップ級だ。
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 病院会計に対して同町は
 法定基準を上回る補助金を一般会計から交付。
 2006年度の黒字転換も、
 実際は前年度より1億円多い3億円の交付を受けてのことだが、
 若狭靖町長は
 「増額は病院への町民の信頼回復があってこそ可能」
 と強調する。
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 佐々木院長は札幌出身で自治医大卒。
 「地方住民の役に立ちたい」
 と東京の八丈島などで勤務し、
 大学時代の恩師が院長を務めた町立厚岸病院を実践の場に選んだ。
 札医大と連携して地域医原を志す研修医や実習生も受け入れ、
 「医師を増員できれば往診もしたい」と意欲を見せる。

 診察する佐々木暢彦院長。
 「きちんと話を聞いてくれて、説明が丁寧だ」と患者の評判も上々だ
 (以上、北海道新聞より引用)
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 佐々木暢彦先生は、
 私が昭和49年に自治医大を受験した時に
 ご一緒だった先生です。
 受験で、2日ほど栃木県の田舎の同じ宿の泊まっただけですが、
 30年前から、実に誠実でお優しい先生でした。
 この新聞記事を見て、とても嬉しくなりました。
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 当時、自治医大の受験生は
 都道府県毎に同じ宿に泊まって、
 自治医大で2次試験を受験しました。
 私の他は
 北大循環器外科の松居喜郎教授、
 札幌市北区麻生で、
 あさぶ小児科を開業している由利賢次先生
 内科の佐藤信司先生など、
 現役と浪人の受験生が、同じ宿に泊まって、
 仲良く受験した楽しい想い出があります。
 私が札幌医大、
 松居先生と由利先生は北大医学部、
 へ進学しました。
 佐々木先生と佐藤先生が自治医大へ行かれました。
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 私も、せっかく合格させていただいたので
 自治医大へ行こうか?とずいぶん悩みました。
 授業料は貸与されるので、実質負担はゼロ。
 生活費約6万円/月も貸与されました。
 卒後9年間の義務年限があり、
 そのうち半分を僻地勤務するという条件でした。
 もちろん勤務先からお給料をいただけます。
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 いろいろな先生のところへ相談に行きました。
 最終的に、予備校でお世話になった
 生物の矢野先生にご相談して、
 札幌医大へ入学することに決めました。
 もし、自治医大へ進学していたら…
 美容外科医には、絶対になっていなかったと思います。
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 佐々木先生は、当時からとても温厚なお人柄でした。
 自治医大は、国の医療政策の中では
 唯一ともいえるくらい、僻地医療に貢献していると思います。
 自治医大出身の先生は、とても信頼できる先生が多いです。
 佐々木先生も義務年限の僻地勤務を終えられ、
 その後、札幌医大の助教授になられたとお聞きしていました。
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 厚岸町立病院は、私が釧路労災病院に勤務していた頃は
 北大から医師が派遣されていた記憶があります。
 佐々木先生が院長になられて、
 佐々木先生に賛同する、
 夢とロマンを持った先生が黒字経営を支えているのだと思います。
 医療業界では、暗いニュースが多い中で、
 佐々木先生のニュースはとても嬉しく読ませていただきました。
 これからも、頑張っていただきたいと願っています。

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