医療問題

入退院の管理

 JALやANAが赤字になりました。
 不況によるビジネス客の減少、
 新型インフルエンザによる旅行の減少などで、
 搭乗率が下がり利益が低下したのが、
 原因の一つと言われています。
 特にJALの再建は大変なようです。
 病院のベッドにも… 
 搭乗率があります。
 稼働率(かどうりつ)と言われます。
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 500床の病院は、
 450人の患者さんが入院していると、
 90%の稼働率となります。
 実際には、
 2人部屋を1人で使ったり、
 一日に入院できる人数に限度があるので、
 ベッドが100%埋まることは…
 なかなかありません。
 航空会社は搭乗率を、
 病院は稼働率を上げることが、
 健全経営への第一歩です。
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 入院希望の患者さんを、 
 単純に入院させれば…
 稼働率が上がるかというと…
 そう簡単ではありません。
 病院は大部分が相部屋です。
 男性と女性を、
 同じ部屋には入院させられません。
 男女同室なのは…
 ICU(あいしーゆー)など特殊な部署だけです。
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 外科系の科は…
 手術日程との調整もあります。
 さくらんぼさんが、
 3回も電話で入院日を変更させられたのは、
 手術部との調整もあれば、
 手術予定だった患者さんが、
 急に手術ができなくなったりしたためです。
 私が医師になった30年前の…
 北大形成外科は…
 手術待ちが3年と言われていました。
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 北大病院の他に、
 札幌市内に形成外科はありませんでした。
 天使病院と愛育病院のベッドをお借りして…
 北大の先生が出張して手術をしていました。
 手術がキャンセルになった場合には、
 キャンセル待ちの患者さんに…
 電話で連絡をして…
 来週、手術ができることになりました。
 ご都合はいかがでしょうか?
 と連絡する担当の係がありました。
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 今では信じられないことですが、
 患者さんは病院からの電話を、
 ただひたすら待っていらっしゃいました。
 昔は、形成外科の稼働率は高く、
 病院の優等生でした。
 午前中に退院して、
 午後から入院するというパターンで、
 一つのベッドを2人で使うと、
 稼働率は2倍になります。
 形成外科では稼働率が…
 100%を超えることもありました。
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 入退院の管理は…
 直接、病院経営に響く大問題です。
 看護部長を副院長に昇格させて、
 経営陣に加えた病院では、
 効率的な病床運営ができて、
 病院が黒字になったという話しを…
 聞いたことがあります。
 医師だけの力ではなく、
 看護師さんや事務系の力もお借りしなくては、
 病院の健全経営はできなくなっています。

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