医学講座

PRPの副作用

 平成21年11月15日に開催された、
 第一回PRP療法研究会で報告された副作用です。
 神戸大学大学院医学研究科、
 美容医科学講座からの発表でした。
 報告された副作用は2例でした。
 いずれも神戸大学以外の施設で、
 ‘治療’を受けた患者さんでした。
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 ●他院にて、下眼瞼、鼻唇溝(びしんこう:法零線のことです)、マリオネットライン、顎にPRPの注入を受け、間もなくシコリを自覚した。その後、1年経過してもシコリの改善がないために、我々の施設を受診となった。(抄録集より引用)
 ●他院にて、下眼瞼周囲にPRPの注入を受けた。間もなく、同部にシコリを自覚し、施術1ヶ月後に我々の施設に来院した。(抄録集より引用)
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 キレイになろうと思って…
 ‘治療’を受けたのに…
 デコボコになってしまい…
 お気の毒なケースです。
 他にも、
 PRPによる副作用報告は聞いたことがあります。
 他の副作用と違って、
 できたシコリが大きくなることがあります。
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 コラーゲンやヒアルロン酸にも、
 副作用はあります。
 私が北大時代に担当させていただいた、
 ウシコラーゲン製剤では、
 皮内テストで2~3%の人に陽性反応が出ました。
 私の家内もその一人でした。
 米国のベンチャー企業が開発した、
 ザイダームというコラーゲン製剤は、
 当時、大変脚光を浴びていました。
 この会社が一番重要視していたのが、
 アレルギー反応とその対策でした。
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 コラーゲン製剤を日本に輸入し、
 当時の厚生省から認可をいただくために…
 北大、東大、京大の
 全国3大学の形成外科が臨床試験を実施しました。
 私はその時に北大の担当者になりました。
 東大の担当者が…
 神田美容外科の征矢野(そやの)先生でした。
 3大学を合わせて、
 100例以上の方に臨床試験を行い、
 安全性と有効性を確認した上で、
 ようやく認可になりました。
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 医薬品の認可には…
 多くの時間と手間がかかります。
 私たちが臨床試験をした、
 ウシコラーゲン製剤のザイダームは、
 ようやく認可を受けましたが、
 ‘美容目的’の使用は認可を受けられませんでした。
 日本の厚生労働省は、
 美容目的の製品についてとても慎重です。
 もし認可した後で…
 副作用がでたら…
 国が責任の一端を負うことになるからです。
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 PRP単独でシワの治療をすれば、
 久保田潤一郎先生が報告されているように、
 大きな副作用もなく、
 小さなシワの改善が得られると思います。
 グロースファクターを入れた…
 プレミアムPRP皮膚再生療法については、
 少なくとも…
 日本形成外科学会や、
 日本美容外科学会で、
 ある程度の結論が出てから使用すべきです。
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 大手美容外科のHPには、
 第○回日本形成外科学会基礎学術集会、
 第○回日本形成外科学会にて○○医学博士より発表され、
 と書かれています。
 発表したことと…
 学会で賛同が得られて認められていることは違います。
 副作用の面についても…
 しっかりと説明した上で、
 プレミアムPRP皮膚再生療法を実施すべきです。
 これが私の考えです。

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