医学講座
アメーバ角膜炎
今日で11月も終わりです。
11月の新聞記事で気になったのが、
朝日新聞に連載されている、
患者を生きるシリーズです。
以下が朝日新聞の記事です。
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千葉県の稲葉恵子(いなばけいこ)さん(29)=仮名=は2008年12月下旬、帰宅途中の電車内で、右目が急に痛くなった。
学生時代から2週間使い捨てのソフトコンタクトレンズを使っていたが、少し前に、酸素透過性が高く、より目に優しいという1カ月使い捨てタイプに切り替えていた。まだ新しいレンズが目になじまず、仕事中もつけたり、外したりしていた。
この時もすぐ外したが、特に充血はしていなかったので、そのうちに治ると思った。
ところが、翌日も痛みはひかなかった。レンズをつけないまま過ごしたが、日がたつにつれて、右目が赤くなってきた。(以上、朝日新聞より引用)
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コンタクトを使用したことがある人なら、
誰でも一度は経験したことがある症状です。
この方は、
大学病院の眼科に入院し、
失明の危機に直面することとなりました。
仕事も辞めなければならないほど…
重症の感染症でした。
原因はアカントアメーバでした。
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昔、生物で習ったことがある、
単細胞の原生動物がアメーバです。
1988年に加藤医院吉原分院(静岡県富士市)の
石橋康久(いしばしやすひさ)先生が
国内初の症例を報告しました。
コンタクトの使用や
目の外傷で角膜が傷つくと、
そこから感染します。
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石橋先生によると…
煮沸消毒が主流だった時代には
この病気が問題になることは少なかった
二週間交換型のソフトレンズと、
洗浄や保存などが一つでできる
「MPS」と呼ばれる液体の普及で増えました。
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石橋先生がおすすめされる予防法です。
MPSだけでアメーバが完全に死滅することはない。
レンズのこすり洗いとすすぎをきちんとすること、
レンズケースは乾かし
定期的に交換することを
徹底してほしい
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私が医学生の時代には、
講義でアメーバ角膜炎は習いませんでした。
眼科専門医以外には、
馴染みのない感染症です。
通販でコンタクトを購入する。
量販店でカラコンを購入する。
眼科へは行っていない。
こういう方が増えています。
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水道水でコンタクトを洗うのもダメです。
こちらのページには、
詳しい解説があります。
こちらの公認会計士の先生も、
ブログで闘病記を書かれています。
目は大切な器官です。
目のお化粧や形も大切ですが、
コンタクトは眼科医の診察を受けて、
適切に使いましょう。
札幌美容形成外科では、
道庁前眼科をご紹介しています。