医療問題

札医大重症熱傷受け入れ再開

 平成22年4月1日、朝日新聞の記事です。
 重症熱傷受け入れ再開
 札医大病院 院内感染問題で2年ぶり
 設備改良、喜ぶ関係者
 サハリンで大やけどを負ったコンスタンチン君の治療などをした札幌医大付属病院の高度救命救急センターが、院内感染問題をきっかけに重症の熱傷患者の受け入れを2年以上も休止していたが、3月29日から再開に踏み切った。休止中、ほかの三次救急機関の負担が増え、昨年8月には大やけどを負った11歳の女児が札幌市内では受け入れできずに、東京都内の病院に搬送される事態も起きていた。(加賀元
 札幌市西区で昨年8月上旬、物置火災が起きた。女児が熱傷面積が約70%という大やけどを負い、市立札幌病院に運ばれた。
 しかし当時、同病院はすでに熱傷患者3人を抱え、うち2人は皮膚移植手術という緊急治療を控えていた。
 担当医は十分な医療体制が確保できないと判断。札幌医大病院の受け入れ休止が続いていることなどもあり、道外での救命の可能性を探った。
 翌朝、女児は自衛隊機で杏林大学高度救急救命センター(東京都三鷹市)に搬送され、一命をとりとめた。
 この事例は2月27日に札幌市内で開かれた「日本熱傷学会北海道地方会」で、市立札幌病院救命救急センターの牧瀬博医師(55)と遠藤昇生医師(37)が紹介した。理由について、牧瀬医師は「地域内での患者受け入れの必要性を訴えたかった」と話す。
 2008年2月から続いた札幌医大病院の重症熱傷患者の受け入れ「休止」で、市立札幌病院では年間10人前後だった患者が、09年度は21人にのぼっていたという。
 進内で唯一の高度救命救急センターである札幌医大病院は、これまで年間20人前後の重症熱傷患者を受け入れてきた。道内で同程度の医療レベルなのは、市立札幌病院と北大病院先進急性期医療センターの2施設とされている。
 しかし、札幌医大病院は08年2月8日、院内感染問題を公表。これに伴い、重症熱傷患者の受け入れを休止した。重症熱傷患者は院内感染リスクが最も高いためだった。
 札幌医大病院の塚本泰司病院長(61)は「2度と同じことを繰り返さないためにも、再開に向けては極めて慎重なステップを踏んだため」と説明している。
 08年4月、感染経路予防策の徹底など改善提言が出された。これを受け、病院側は病床の仕切りや、処置設備の動線の見直し、シャワー室の改修など設備面の改良を昨年9月末に済ませた。交通事故などの重傷患者の受け入れを「制限なし」としたのは昨年11月以降で、今回の再開は「感染制御部と救急集中治療部による再開の判断を待っていた」 (塚本病院長)という。
 札幌市内のある医師(55)は「設備も人材もそろった札幌医大病院の『再開』はありがたい。札幌医大は道民が築いた医療機関だけに、その役割をこれからも果たしてほしい」と話している。
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 札幌医大病院の院内感染問題
 同病院高度救命救急センターで、2006年9月から07年6月に入院した患者13人から抗生物質が効きにくい多剤耐性緑膿菌(MDRP)が検出され、60~70歳代の重症患者5人が死亡した。08年2月、同病院が公表した。
 当初、病院側は「原因は院内感染とは考えにくい」としたが、同年4月の外部の専門家を含めた調査では
①06年9月~08年1月に重いやけどなどで入院した23人が保菌者や感染者でうち8人が死亡。
②8人中5人はMDRP感染が原因とは考えられない。
③残る3人は病状悪化や死因の可能性が否定できない、とした。
 (以上、朝日新聞から引用)
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 2010年2月28日の院長日記で取り上げた、
 札幌医大の熱傷患者受入中止問題が、
 解決しました。
 ご声援をいただた…
 さくらんぼさん他、
 院長日記の読者の方に、
 感謝いたします。
 この記事は、
 加賀元(かがげん)さんの署名記事です。
 残念なことに…
 北海道版なので山形版には掲載されません。
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 救命救急の仕事をしていると…
 どんなことがあっても…
 (自分が)1ヵ月くらい家に帰れなくても…
 なんとか助けてあげたい!
 という患者さんが運ばれて来ます。
 11歳の女児は、
 東京まで搬送されて救命されました。
 札幌医大にも…
 東京と同じレベルの設備も人員もあります。
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 高度救命救急センターには、
 たくさんの税金が使われています。
 貴重な医療設備です。
 不慮の事故に遭った人を助けてください。
 学生さんの教育もできます。
 立派なお医者さんを育ててください。
 55歳のある医師はほっとしてます。
 記事を書いてくださった加賀さんに感謝しています。

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