昔の記憶
助け合いの心
今回の東日本大震災で、
死者行方不明者が2万人を超えています。
地震→津波→原発事故と、
今も不安な状態が続いています。
何とお見舞いを申し上げたらよいか…
肉親を亡くされて、
家も財産も無くなってしまい、
避難所生活をされている方に、
かける言葉も見つかりません。
■ ■
私は、
美容形成外科医になる前に、
病院勤務の形成外科医として、
約25年間働きました。
北大形成外科では熱傷治療をしていました。
自宅の火災で、
肉親を亡くされ、
家も財産も無くなり、
ご自身も大やけどで、
何度も手術をした方を治療しました。
■ ■
重傷のやけどの患者さん。
自分のことよりも…
○○は大丈夫か?
今、どんな状態?
と家族のことを気にされます。
とても、
火災でお亡くなりになりました
…とは言えません。
■ ■
ご自身の治療が進んで、
ある程度理解できるようになって、
葬儀も済んでしまってから、
お伝えしたこともありました。
伝えた親族も、
私たちもつらいものでした。
救急医療の現場には、
精神神経科のサポートが必要です。
専門の先生に何度もお世話になりました。
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そんなつらい患者さんを支えたのは、
毎日、病院へいらしたご家族であり、
周囲の人のあたたかい心でした。
医師や看護師だけではなく、
病棟の看護助手さんや、
病室のお掃除をしてくださる方からも
あたかかい心をいただきました。
■ ■
私は、
日本人には、
あたたかい
助け合いの心
…があると思います。
日本の医療保険制度が成功したのも、
根底にある、
助け合いの精神
だと思います。
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今はつらい毎日ですが、
必ず復興できる日が来ます。
それを信じて、
正確な情報をしっかり得て、
正しい判断で生きることです。
悲観していても、
キズは治りません。
傷ついた日本の国土を、
治すのは日本人の英知と努力です。
最後まで諦めないことです。