昔の記憶

助け合いの心

 今回の東日本大震災で、
 死者行方不明者が2万人を超えています。
 地震→津波→原発事故と、
 今も不安な状態が続いています。
 何とお見舞いを申し上げたらよいか…
 肉親を亡くされて、
 家も財産も無くなってしまい、
 避難所生活をされている方に、
 かける言葉も見つかりません。
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 私は、
 美容形成外科医になる前に、
 病院勤務の形成外科医として、
 約25年間働きました。
 北大形成外科では熱傷治療をしていました。
 自宅の火災で、
 肉親を亡くされ、
 家も財産も無くなり、
 ご自身も大やけどで、
 何度も手術をした方を治療しました。
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 重傷のやけどの患者さん。
 自分のことよりも…
 ○○は大丈夫か?
 今、どんな状態?
 と家族のことを気にされます。
 とても、
 火災でお亡くなりになりました
 …とは言えません。
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 ご自身の治療が進んで、
 ある程度理解できるようになって、
 葬儀も済んでしまってから、
 お伝えしたこともありました。
 伝えた親族も、
 私たちもつらいものでした。
 救急医療の現場には、
 精神神経科のサポートが必要です。
 専門の先生に何度もお世話になりました。
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 そんなつらい患者さんを支えたのは、
 毎日、病院へいらしたご家族であり、
 周囲の人のあたたかい心でした。
 医師や看護師だけではなく、
 病棟の看護助手さんや、
 病室のお掃除をしてくださる方からも
 あたかかい心をいただきました。
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 私は、
 日本人には、
 あたたかい
 助け合いの心
 …があると思います。
 日本の医療保険制度が成功したのも、
 根底にある、
 助け合いの精神
 だと思います。
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 今はつらい毎日ですが、
 必ず復興できる日が来ます。
 それを信じて、
 正確な情報をしっかり得て、
 正しい判断で生きることです。
 悲観していても、
 キズは治りません。
 傷ついた日本の国土を、
 治すのは日本人の英知と努力です。
 最後まで諦めないことです。

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