医学講座
上手な採血の仕方①
4月から医師になった人も…
看護師さんになった人も…
最初は何もできません。
今の日本の医療制度では…
免許を持たない人が…
他人に針を刺すことはできません。
医学部でも…
看護学部でも…
学生の間は針を刺す実習はできません。
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唯一あったのが…
同級生同士で針を刺すことでした。
(これも正式に認められているかどうかはわかりません)
私たちの時には…
医療実技の練習としてではなく…
生化学実習で…
血液中の成分を調べるために…
自分たちの血を採る実習をしました。
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私は今も昔もやせ型です。
血管も太くて見つけやすいです。
私の腕から採血をしたのが、
同級生の三浦くんでした。
彼は優秀な小児科医になりました。
今はどんなに細い赤ちゃんの血管からでも採血ができます。
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採血の練習
…という2009年4月4日の院長日記に書いてあります。
今はベテランの三浦先生ですら…
学生時代にはじめて私の腕から採血をした時には、
血管を針が突き抜けてしまい…
採血をした後には…
何週間も黒いあとが残りました。
私も同じことをして…
三浦先生の腕にあとを残しました。
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血管は太くてよく見えていても…
針を刺した刺激で…
収縮してしまうことがあります。
静脈にも収縮があります。
私たちはvasospasm(ばぞすぱすむ)
血管攣縮(けっかんれんしゅく)と呼びます。
緊張していると起こります。
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採血でも…
点滴でも…
針を刺す前から緊張して…
手が冷たくなっている患者さんがいます。
こんな人が難しいです。
血管の中に針が入っていても…
血液が逆流して来ません。
失敗したと思って…
何度も針を刺すとますますspasm(すぱすむ)が強くなります。
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ベテランの看護師さんは…
こんな時には…
手をあたためます。
病棟にある…
清拭用のあたたかいタオルでも…
加温用の電気毛布でもOKです。
何もなければ…
手をこすって自分の手であたためてもOKです。
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血管に針を刺すという…
医療としては実に基本的なことですら…
何十年もやっても難しいと感じます。
一人ひとり血管の太さも反応も違うからです。
採血や注射が上手な看護師さんは、
血管を見つけやすい状態にして…
針を刺しやすい状態にして…
針を刺してもスパスムが起きないようにして…
上手に採血しています。
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血管が細くて看護師さん泣かせ…
…の患者さんは、
採血されたり…
点滴をされる前に…
ご自分であたためておいて…
手があたたかい状態で刺されると…
何回も痛い思いをしなくても済みます。
新米の先生にあたっても…
3回までは許してあげてください。