院長の休日
駆け込み退職、恥じることない
平成25年1月29日、朝日新聞朝刊、声の欄への投稿です。
駆け込み退職、恥じることない
元裁判官 神山千之(埼玉県川越市 55)
小学校高学年の時、春闘で授業が自習になったことがある。当日か前日の朝だったか、担任の先生が教室で話してくださった。
「聖職という言葉がある」と切り出された先生は、「教師を聖職と考えるのはおかしい。働いてお金を稼いで生活している賃金労働者だ」とおっしゃった。賃上げや待遇改善闘争にも触れたと思うが、当時、私の記憶に残らなかった。しかし、「教師は賃金労働者だ」という言葉は覚えている。賃金で生活する生活者として公務員も民間の労働者も同じなのだ。
退職金が減額される前に1月末で退職する教員が少なくないという。この3月末で定年退職予定だった教員にとっては合理的な選択だ。後任者への引き継ぎや生徒への説明をきちんとする必要はあるが、駆け込み退職自体は何ら非難されるべきことでないし、自ら恥じ入ることでもない。
教員、公務員としての長年の貢献に敬意を表する。自身の退職の意味を、教員生活最後の教えとして生徒たちに誠実に伝えていただければ何よりである。
(以上、朝日新聞より引用)
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私も同感です。
何も恥じることはありません。
こんな制度を作った自治体が悪いです。
先生がお気の毒です。
どの先生も好きこのんで辞めるのではありません。
まったくばかな話しだと思います。
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私たち医師は…
生涯の間にさまざまな病院に勤務します。
昔、大学の医局からは…
教授の鶴の一声で人事が発令されました。
私の場合は…
大浦武彦先生からの電話でした。
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私たち医師は…
たとえ大学の医局人事でも…
一身上の都合による…
自己都合退職でした。
民間病院に勤務している時も…
公立病院に勤務している時も…
北海道大学の医局人事によりとは…
書いてはいけませんでした。
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私が今までの人生でいただいた退職金は…
ほんとうに少ないものです。
せいぜい数年で自己都合退職です。
退職金算定の基礎となる基本給は…
医師でもそれほど多くはありません。
一千万円以上の退職金をいただいた医師は…
数えるほどしか知りません。
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教員は大切な仕事です。
教育にかける情熱は大切です。
でも…
いい先生を増やすには…
先生の待遇を良くしなくてはなりません。
教員を志す若い人が…
何十年も働いて非難される先輩を見て…
絶望しないような世の中にしていただきたいです。
先生、長い間ありがとうございました。