医学講座
アートメイクと眼瞼下垂症
眼瞼下垂症の方は、
まぶたが下がっています。
まつ毛の上に皮膚がのっかっています。
そうすると…
マスカラが皮膚についてしまう
アイラインがかけない
アイラインが見えない
…となってしまいます。
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年齢とともに…
アイラインが上手にかけないので…
アイラインにアートメイクを入れる人がいます。
眼瞼下垂の程度が重症の人ほど…
太く刺青を入れないと…
アイラインが見えません。
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アイラインに…
幅広く…
真っ黒に入ったアートメイク。
これが眼瞼下垂症手術の時に困ります。
下垂を治して…
のっかっていた皮膚を切除すると…
隠れていた黒いアイラインが…
真っ黒にでてきます。
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眼瞼下垂症手術の直後は…
どんなに丁寧に手術をしても皮下出血が出ます。
皮下出血の色と…
刺青の黒が混ざると…
かなりどぎつい色になります。
手術前にご説明いたしますが…
実際に見るとショックです。
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黒く入ったアートメイクは…
最新鋭のレーザーでもなかなか取れません。
アートメイク店に行くと…
黒の上から肌色の色素を入れるところもあります。
キレイに修正された例は見たことがありません。
切除することも難しいです。
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アイラインのアートメイクは入れるのも痛いです。
まつ毛のすぐ上なので…
素人が入れて…
目に異常が起きても大変です。
厚生労働省は…
平成13年11月8日
医政医発第105号
厚生労働省医政局医事課長通達を出しています
医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反する行為。
①用いる機器が医療用であるか否かを問わず、レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為
② 針先に色素を付けながら、皮膚の表面に墨等の色素を入れる行為
③ 酸等の化学薬品を皮膚に塗布して、しわ、しみ等に対して表皮剥離を行う行為
つまりこの通達によると、エステの脱毛、アートメイク、刺青師、ケミカルピーリングはみんな医師免許が必要になります。
通達を出しただけではなく、
しっかり指導監督をしていただきたいです。