医学講座
褥瘡の治療法⑤
褥瘡の一番の治療法は予防です。
病気やけがはある日突然起こります。
褥瘡は…
褥瘡ができやすい人を予測できます。
他の疾患と違うところです。
予防することができます。
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褥瘡治療の主役は看護師さんです。
毎日患者さんをよく観察して、
褥瘡危険信号を見つけます。
褥瘡をつくらないために、
高性能の体圧分散式マットレスを使います。
高機能エアマットレスを使うと、
寝たきりで人工呼吸器をつけた患者さんでも、
褥瘡の発生が減ったというご発表がありました。
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一度できた褥瘡を治すのは、
きずを治すプロの形成外科でも難しいです。
そもそも全身状態が悪いので褥瘡ができます。
貧血や低栄養状態のこともあります。
自分のきずを治す力が弱っている人が褥瘡になります。
ただキズに軟膏を塗るだけではだめです。
褥瘡ができた原因を、
社会環境を含めて考えなくてはなりません。
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大浦武彦先生が設立された日本褥瘡学会。
大浦先生のお言葉です。
北海道大学を定年退官し、褥瘡の治療に携わって初めて知ったが、当時(1998年ごろ)は褥瘡に関する医学的データがまったくなかった。それまで褥瘡は医学の対象として取り上げられていなかったのである。
そこで、この医療の谷間にあった褥瘡に何とか光を当てる必要を感じ、日本褥瘡学会を立ち上げ、褥瘡治療の重要さをアピールした。
一人でも多くの方に、
褥瘡予防の知識を広めたいと思います。