医学講座
理想の医師
増えてほしい苦労人の医師
2009年3月25日の院長日記です。
朝日新聞『声』の欄への投稿です。
医師は医学部受験を勝ち抜いてきた
「お坊ちゃま成功者」が多い。
それでも、
感受性の強い優しい人や
挫折を乗り越えてきた苦労人なら、
患者と共感できる医師になれる。
■ ■
最近は医学部も女子が増えています。
「お坊ちゃま成功者」だけではなく、
「お嬢さま成功者」もいます。
偏差値が高い人を否定するのではありません。
現実問題として、
小さい時から、進学塾に通い。
名門校でもトップクラスの成績でないと、
有名国立大学医学部に、
現役合格はできません。
■ ■
医師の仕事は、
きれいな仕事ではありません。
便もみなくてはいけません。
強烈な悪臭が大切な所見のこともあります。
感染症を診なくてならないので、
自分が感染してしまうこともあります。
エボラ出血熱で亡くなった先生もいます。
■ ■
収入が高いので、
医学部に入ってお医者さんになろう!
…と考えている受験生には、
お医者さんはすすめません。
お金儲けをしたいなら、
投資家をすすめます。
私の高校の同期で、
一番のお金持ちは社長さんです。
■ ■
お金持ちになりたい人に、
美容外科医もすすめません。
苦労が多いです。
美容外科業界で一番所得が高いのは、
美容外科チェーン店の経営者だと推測します。
MBAを取得している人もいると聞きます。
ただ経営判断を誤ると倒産の危機です。
■ ■
お金儲けが上手だった美容外科医もいました。
TVでよく宣伝をしていました。
その先生が手術をした患者さんを診ることがあります。
ちまたのうわさとは逆で、
わきが手術は上手だったと思います。
残念なことですが、
脱税で医師免許を無くされました。
私は困っている人を助けるのが医師の仕事だと思います。
いい先生が増えることを願っています。