医学講座
市長さんの声2014
Yahooニュースに出ていた、
平成26年12月17日、山形新聞の記事です。
酒田市長辞職勧告案、検討求める 市議会第3会派、他会派は同意せず
咽頭腫瘍の手術で声帯を失い、機械を喉元に当てて電子音声で会話している酒田市の本間正巳市長に関し、市議会第3会派「市民の会」は16日の議会運営委員会で、市政への影響が懸念されるなどとし、本間市長の辞職勧告決議案を検討するよう求めた。「声が聞き取りづらい」との論旨で根拠が不明瞭なことから、他会派は同意せず、市議会として提案しないことを確認した。
「市民の会」所属の武田恵子委員が「全国市長会や県との折衝で意思が十分に伝わるのか。市長答弁の趣旨確認や補足説明が必要になる」などと述べ、決議案提出の検討を要望した。これに対し各会派は「今、この問題を取り上げる必要はない」「同意はできない」と回答。後藤仁委員長は「復帰したばかりの市長には粛々と業務をしてほしいとの思い」と総括し、提案を退けた。
(以上、山形新聞より引用)
■ ■
山形県酒田市の本間正巳市長さん。
同じ本間でも、
親戚ではありません。
咽頭腫瘍で声帯を切除し、
声が出なくなりました。
それでも市長を続けていらっしゃる。
私は立派な市長さんだと思います。
■ ■
形成外科は、
耳鼻科といっしょに、
下咽頭癌の手術をすることがあります。
声帯を含む下咽頭(かいんとう)を切除し、
再建手術をします。
長時間かかる大変な手術です。
残念ですが声は再建できません。
■ ■
多くの患者さんは【死】を覚悟します。
死ぬよりは…
声を失うことを選びます。
放射線治療もつらいものがあります。
口の中やのどが
からからになります。
食べ物も飲み込みにくいです。
必死に耐えて病気とたたかいます。
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私は本間市長さんに、
朝日新聞の患者を生きるで紹介されていた
気管食道シャント法をおすすめしたいです。
平成26年12月7日、朝日新聞朝刊の記事です。
働く_政治家と声
6情報編_シャント法、費用が壁
連載で紹介した与謝野馨さん(76)は、手術で失った声を「気管食道シャント法」で取り戻した。従来の発声法と比べ、ほとんど訓練せずにはっきりした声が出せるのが利点だが、費用の負担が大きく、普及が遅れている。
シャント法は、気管と食道を隔てる壁に手術で穴を開け、そこに空気を送り込む弁のついた短い管をはめる。弁を通じて呼気を食道に取り込み、声を出す仕組みだ。
がん研有明病院(東京都江東区)でシャント法を手がける福島啓文医師は「肺から上がる多量の呼気を使うので特別な訓練なしに明瞭な声が出せる」と評価する。
シャント法の利用者団体「悠声会(ゆうせいかい)」の土田義男(つちだよしお)会長は2005年、英国の喉頭(こうとう)摘出の患者26人と交流した際、約7割がシャント法だった。残りは電気喉頭で食道発声はゼロ。「この経験から食道発声からシャント法に替えた」という。
現在、欧州では声を失った患者の約9割がシャント法で、日本は3~5%とされる。国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)の吉本世一(よしもとせいいち)医師は「1990年代後半ごろから弁のついた管が改良されて扱いやすくなり、欧州で利用者が増えた」と話す。同病院では13年から管をはめ込む手術を始めた。のどの器官を取る手術を受けた患者の約半数が、シャント法を選んでいるという。
だが、シャント法を手がける医療機関は全国で約100カ所にとどまる。費用負担も大きい。シャント法の手術は公的医療保険が適用されるが、入院費を除く自己負担が3割で約6万5千円。管は3カ月ごとに交換するが、その際の患者負担は交換の手数料込みで約2万円。
のどの周りに使う加湿用カセットやシール、管を掃除するブラシなど関連器具は月2万円かかる。同会は関連器具を障害者日常生活用具に認定し、購入費を助成するよう、会員の住む自治体に要望。4月時点で11都道府県の32市町が助成している。
与謝野さんは12月14日午前10時、東京都港区港南2丁目の品川インターシティホールで「声を選ぶ、生き方を選ぶ」の題で講演する。入場無料。問い合わせは、アトスメディカル名優(03-4589-2830)。(錦光山雅子)
(以上、朝日新聞より引用)
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声を失った政治家は過去にもいます。
私が学生だった35年前、
耳鼻咽喉科の形浦教授は、
よく佐世保市長の食道発声を講義で話されました。
当時は、
食道発声とはどんなものかも知りませんでした。
今は時代も変わりました。
日本でも、
気管食道シャント法が普及することを希望します。
保険適応にしていただきたいです。